お金

借金の催促から逃げ回る人生はもう終わりだ。返済交渉をガチでしてみた結果

暖簾に腕押し

「今手持ちがほとんど0で……仕事も不定期なので5,000円準備するのがせいぜいなんですよね。元々電話に出なくなったのも一括支払い以外の相談を受けてもらえなかったからで……」  弁護士事務所にこれは効く。実際に金がない人間を相手にする時、弁護士事務所は話を聞いてくれる。よくわからないが、自己破産を考えているなら相談します、というスタンスの所が多い。カード会社が「一括で支払え」と鞭を振るい、叩いても出てこなかったら弁護士事務所が分割支払いという飴をチラつかせる。初めてリボ払いの契約をした時を思い出す。もしかして、オトクじゃないか……?と。 「では今月は5,000円でいいですよ。来週までに払ってください。金利は止めてあるのでまた相談しましょう」  暖簾に腕押し、ということわざを思い出した。2万円と5,000円で戦わせ、1万円以内で収まるような応酬が繰り広げられるはずが、すんなり5,000円を受け入れる。3,000円と言っていたら3,000円で済んだのだろうか。 「本当ですか、助かります。来週振り込むんで口座教えてください」  試合に勝って、勝負に負けた。パルティール債権回収会社に5,000円を振り込まなければならない。もしかしたら試合にも負けているのかもしれない。

今年は返す

 去年はカード会社や弁護士事務所の連絡を全て無視してきた。だが2021年の僕は一味違う。カード会社の電話に一転攻勢。次々と返済の意思を伝えていく方針にした。  カード会社とは別に毎月10万円返済していた130万円の借金を完済し、その分の余裕ができたからだ。理解できないかもしれないが、実は僕には返済の意思がある。自己破産した方が得とか、もうそんな損得は頭に無い。リボ払いにしている時点で考えていないことは容易に想像ができるだろう。  借金を完済したら、またカジノに行くつもりだ。クレジットカードでの錬金ができなくなってから半年以上になるが、僕にとってカジノよりも面白いことはきっとない。好きなことを好きなだけやっていいと言われたら間違いなくカジノに行くだろう。その時にテーブルに失礼のないよう、気持ちよくギャンブルに興じれるよう、自分の中でのケジメとして今働いているに過ぎない。ギャンブルで作った借金はギャンブルで返せ、なんてことも言われるが、別にそんなに辛い思いをしてまで頑張りたくない。「楽しい〜」と脳を快感の海に沈めたいだけだ。博徒としての姿勢も矜持も要らない。ただ最高の旅行をするためにチマチマ返済しようと決めている。
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さらなる敵
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フィリピンのカジノで1万円が700万円になった経験からカジノにドはまり。その後仕事を辞めて、全財産をかけてカジノに乗り込んだが、そこで大負け。全財産を失い借金まみれに。その後は職を転々としつつ、総額500万円にもなる借金を返す日々。Twitter、noteでカジノですべてを失った経験や、日々のギャンブル遊びについて情報を発信している。 Twitter→@slave_of_girls note→ギャンブル依存症 Youtube→賭博狂の詩

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