エンタメ

韓国のサラリーマン社会に自分を投影し、働くことの意味を思い出せ!/明石ガクト

動画オーバードーズ

『ミセン‐未生‐』より

『ミセン‐未生‐』

韓国のサラリーマン社会に自分を投影し、働くことの意味を思い出せ!

 こう見えて新卒の頃はきっちりスーツを着て出社していたワンメディアの明石ガクトだ。同僚との気兼ねない雑談もできず、金曜夜の飲み会にも行けず、働くって何だろう?って考えちゃうSPA!読者の皆さん、ちょっと待って。今こそ社会人デビューのあの頃を振り返って社会人の矜持ってやつを取り戻そうぜ!  実は最近、僕もこのリモートワークで思い悩んでいた。皆が働くオフィスへの望郷に似た思いを漫画家の東村アキコ先生に相談したところ、レコメンドしてくれたのが『ミセン』という作品だ。アシスタントさん含め総動員で韓国コンテンツにハマっているアキコ先生の仕事場でぶっちぎりの評価を得たこの作品。 「これぞストーリーテリング!」と鼻息荒く語る勢いに押されて、早速見始めたのだが「え? なんなのこの主人公……めっちゃ要領悪くない……ああイライラしてきた……もうこっちでやるから! ファイル転送して!」思わずテレビ画面の前で絶叫している自分がいた。

仕事ってこれだ! 働くってこれだ!

 これだよ、これ。仕事ってこれだ! 働くってこれだ! 若手の何もできなかった頃の自分と、ちょっと手際がいいだけで上司に気に入られてる同期と、面倒見がいいんだか悪いんだかわからない先輩。社会に出たあの頃の世界が淡々と繰り広げられる、リアルすぎるドラマがそこにはあった。  仕事をするということは、ただアウトプットを出せばいいというわけじゃない。喜怒哀楽に溢れた人間関係の中で、もがき続けることなんだと気付かせてくれる隠れた名作だった。韓国のサラリーマン社会に自分を投影し、働くことの意味を思い出せ! お疲れさまでした! ●『ミセン‐未生‐』 ’14年に韓国で放送され、「ミセンシンドローム」と呼ばれる社会現象を起こす大ヒットを記録したドラマ。現在、Netflixで視聴可能。
’82年、静岡県生まれ。上智大学卒。’14年、ONE MEDIAを創業。近著に『動画の世紀 The STORY MAKERS』(NewsPicks Select)がある

おすすめ記事