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ロレックスほか「K18腕時計の値上がり」は金相場の影響じゃない理由

パテックフィリップ ノーチラス 5711/1R-001

 ノーチラスといえば、特にこの5年ぐらいの間において、世界的にものすごく人気がある高級腕時計。そして、そのノーチラスのK18を担う5711/1Rもまた、凄まじい値上がりとなっているのです。  1年前の時点では1100万円台で購入可能だったのが、現在では1400万円以上に。実に1年で300万円以上の値上がりとなっています。
パテックフィリップノーチラス5711 1R-001

パテックフィリップノーチラス5711/1R-001

 また、このほかにも、デイトナやGMTマスター2といった人気シリーズのK18モデルの数々が値上がり傾向にあります。“K18腕時計の上昇はトレンド”と言えるぐらい、勢いがあるのです。

K18腕時計の上昇は金相場の上昇と関係あるのか?

 さて、ここまでは「K18腕時計が上昇傾向にある」ということをお伝えしたわけですが、「金相場が上昇したから、金の腕時計も上昇した」は、本当に正しいのでしょうか?  実は過去にさかのぼると、金相場が上昇したからといって、金の腕時計が必ずしも高くなるというわけではありませんでした。  例えば、リーマンショックの際、株価や原油価格は下がっていた一方、金相場はリーマンショック翌年の2009年ごろから上昇していました。  その際、腕時計の中古相場はどうなっていたかというと、ステンレスと同じように、K18モデルも値下がりしていたのです。  また、2011年ごろにおいて、金相場はリーマンショック前、つまり2007年ごろの水準を超えていたのですが、それでもK18腕時計は安価でした。例えば、ノーチラスのK18モデル、3800/1Jは130万円台で購入可能だったわけです。  さらに、2015年ごろの段階でも、K18の中古腕時計相場が金相場と連動していませんでした。こうした話は、著書の『腕時計投資のすすめ』でも触れています。  過去の事例において、K18腕時計は金相場の上昇と連動するような動きを見せない場合が多かったわけです。
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今、18腕時計が値上がりしている理由
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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