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ロレックスほか「K18腕時計の値上がり」は金相場の影響じゃない理由

今、18腕時計が値上がりしている理由は?

 ではなぜ、最近になって「金の腕時計」が値上がりするという自体になったのでしょう。  その答えとして考えられるのは、中古腕時計界隈に大きな影響を与える市場が、日本から中国に変わりつつあるのではないかという可能性です。  実はこれまでの約20年間、中古市場に影響を与えるのは日本という傾向がありました。日本のトレンドが海外にも影響を与えるということがあったのです。  そして、日本において人気がある腕時計こそが「ステンレスの腕時計」だったわけで、反対に、金の腕時計、特にイエローゴールドの腕時計は、日本では人気がなかったのです。  しかし、中国ではK18素材の人気が高く、日本とは趣味嗜好が異なります。  中国人の高級品への関心は、2000年代中盤ごろから目立っていたと言えますが、それから十数年が経過した今、高級品への造詣が深くなり、目が肥えてきた結果、中古腕時計への理解が進んだのだと思います。  そして、中古腕時計の中国人需要が高まった結果、彼らに人気のあるK18モデルの需要が以前よりも増し、値上がりにつながったのではないかと推測できるのです。
金製品

中国人の金製品好きが腕時計の相場にも影響を与えているようです

K18人気⇒K18腕時計上昇トレンドの形成へ

 さらに、「需要がある」といった状態になると、これまで人気がなかったイエローゴールドなど、K18腕時計への注目度が以前よりも高まることになります。そして、結果的に日本でも「K18モデルを欲しい」という人が増えた可能性があるでしょう。  そうなると、需要に拍車がかかり、さらなる値上がりへとつながるわけで、現在のような状態になっても不思議ではありません。  90年代後半ごろから、長らく高級腕時計の人気トレンドは「ステンレス」という傾向がありました。実際、ロレックスのデイトナでは、本来上級なコンビモデルよりも、ステンレスモデルのほうが高く取引されるという状況が、この20年以上も続いているのです。  しかし、最近の傾向を見ると、金の含有量が少ない、革ベルトのK18腕時計でさえ目立った上昇をしているわけで、金相場の上昇という影響以上に、K18腕時計そのものの人気度が増していると感じられることがあります。  そういった意味では、今後、高級腕時計のトレンドは、ステンレスからK18へと変化しても不思議ではないと言えるでしょう。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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