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たかが10分の繰り上げでもツラい。終電繰り上げで困惑する人々

寝過ごしたら6000円!? 帰りの車内で居眠りができない

 続いて、大阪でSEとして勤める男性だが、新年度に入り業務が増えたことで終電を逃すことが増えたという。 「今回の繰り上げで大阪駅からの終電が10分、早まったので驚きました。特に今は新入社員が入社して仕事に追われているので余計に困ります。オフィスのビルが11時半に消灯するので、今まではそこから地下鉄に乗れば最終に間に合っていたのですが……。でも、何が1番困るかというと僕が住んでいる駅まで行く最終の普通電車がなくなったこと。  急行で途中まで乗って、そこからタクシーで帰らないといけなくなりました。普通に乗り換えようとしたら1本前の急行に乗らないといけないのですが、もし寝過ごしたりなんかしたら最悪。前に1度、急行の終点まで行ったことがあるのですがタクシー代が6000円近くかかりました。電車を降りるまで気が抜けませんよ」  ホッと一息つけるはずの帰りの電車内だが、寝過ごしたら多額の出費が……。緊張を強いられる帰宅電車は精神的にもツラそうである。

リモート慣れして電車の時間を忘れる

 都内のIT系ベンチャーに勤める男性はリモートワーク中心になったことで、“うっかり”が増えたという。 「基本的にリモートワークなので、会社に行くのは月に2回程度。行く時は昼過ぎから終電まで会社で作業するようにしています。昨年の緊急事態宣言以降、夜遅くまでお酒を飲むこともなくなり、会社にもほとんど行かない生活なので、終電のことなんて頭から消えているんですよ。だから、去年までのノリで『そろそろ終電だから……』と会社を出て地下鉄に乗って、新宿で乗り換えようとしたら終電がなくなってたなんてことが何度かあった。別に飲んで終電逃したワケでもないから、なんか無性に損した気分になるんですよね……」  ネット上では「たかが30分の繰り上げ」「コロナ禍なのに終電まで飲もうとするな」など厳しい意見が飛び交っているが、たった30分でも支障をきたしている人がたくさんいるのだ。新しい生活様式が始まって1年、病院の勤務体制や会社の残業規則など時代に合わせて変化させていくべきなのかもしれない。
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キャバ嬢からも悲鳴が……
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano

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