「地元仲間は100人」将来のため、仲間と寄り添うマイルドヤンキーたち
「ヤンキー経済」という言葉が注目を集めている。現代の消費のキーワードは、地方都市のマジョリティである地元族の若者たちが担っているという見方だ。大企業も注目し始めた彼らのライフスタイルと独特の思想・本音を聞いてみた!
◆教員に風俗店員、地元仲間は100人!
前回(https://nikkan-spa.jp/631717)も登場した千葉県の26歳男性の仕事は、昼は親戚の経営する建築重機のリース会社でドライバーのバイト。掛け持ちで地元のデリヘル店のスタッフをしている。いわばちょっと“不良寄り”だが、地元の同年代の仲間には、親元暮らしのコンビニバイトもいれば、中学校の教員もいる。属性はバラバラだが、大事な地元仲間だ。
「同中(中学の同窓)の友達で地元に残ってるヤツ中心だけど、高校卒業したらみんな車で移動したり仕事始めたりして、横の繋がりで友達が増えるじゃないですか。何やるのも一緒って仲間は5~6人だけど、地元仲間を全部カウントしたら30人はいます。先輩と後輩合わせたら100人ぐらい! チームとかじゃないけど、やっぱ地元意識は強いですよ。仕事とか困ったときは協力し合うし、震災の時は、女友達も交じって、ボランティアで地元の屋根瓦が落ちた家や崖崩れの修復を手伝いましたもん。あの時は本当にバリバリの絆感がありました」
一方、彼らの“先輩”に当たる30歳の茨城県在住の男性は、マイルドヤンキーに希望を見いだす。
「僕らの若い頃、高校を卒業したら地元を出て行くのが当たり前だった。だけど、最近の地元の高校を見ていると、在学中の生徒をインターンや研修などで受け入れる地元企業がたくさんあり、そのまま卒業後も地元で仕事につく卒業生も増えている。給料は安いけど、みんな地元への愛着が伝わってきますね。若い人間がこうして地元を盛り上げていけば、地元が発展し、給料も高くなりますよね」
確かに彼らは上昇志向こそないものの、現状の地元ライフに高い満足度を持っている。だがその背景には「地元の友達や親の縁が切れたら、生きていけない」という漠然とした不安があるようにも感じるのだが……。
【マイルドヤンキー「心」のキーワード】
●20代のうちに子供を小学校に
「女は30歳を超えても賃金は上がらないんだから、お金がなくても、体力のあるうちに産んで、30歳になるまでに子供を小学校に入れるのが目標です」(茨城県・23歳♀)
●付き合う女はひと世代下!
「地元の男は30歳を超え、稼げるようになってから20代の嫁さんをもらう。20代の男は10代の高校生と付き合う。男子高校生? オナニーで我慢せい!」(神奈川県・24歳♂)
●イツ面とイツまでも
「俺らが死ぬまでに日本がすごく好景気になるなんてもうない。結局、地元のイツ面や家族を大事にするってことは、将来の自分のためですよね……」(茨城県・23歳♂)
※写真はイメージです
― [ヤンキー経済]知られざる消費と本音【4】 ―

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