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物が盗まれる激安シェアハウス、アイスを餌に罠を仕掛けた結果は

彼女を連れ込んだ家出青年の顛末

謎スペース

管理人の橋本さん(仮名)は、この謎スペースで寝ているという

 シェアハウスをオープンした当初は4人の入居者がいた。現在は、19歳のA子さんと36歳の三嶋さん(仮名)の2人だ。    5月上旬、橋本さんが経営する都内のシェアハウスに「家出青年」が入居してきた。彼の第一印象は好青年。複雑な家庭に育ち、母親が多額の借金をしているうえ、精神的な虐待を受けて逃げ出してきた。携帯電話も契約できない状態だったのだ。橋本さんは彼の実家まで車で同行し、役所関係などのさまざまな手続きを手伝ってあげたという。 【参考記事】⇒月収12万円のフリーターがシェアハウス経営に挑戦「家賃を払ってもらえない」  その後、彼に何があったのか——。

他の住人から大ひんしゅく

 
シェアハウス

橋本さんが経営する都内のシェアハウス

「あれからですが『家出青年』は家出コミュニティで知り合ったというA子さんを呼んでシェアハウスに住まわせたのですが、彼女に対する束縛が激しく、他の住人からひんしゅくを買いはじめたんです」  また、“真面目な好青年”は表の顔だった。仕事もせずに、彼女から20万円を借りて返さない。2人がいるとシェアハウスの雰囲気が悪くなるので、埼玉のシェアハウスに移ってもらうことになったのだ。 「さらに、A子さんの携帯電話を勝手に売ってしまった。彼女はブチ切れて、もう別れたいと僕に相談してきたのです。詳細を聞いて、『家出青年』には退去してもらうことにしました」

貸したパソコンが消えた

 橋本さんは『家出青年』に事情を説明して、退去するように伝えた。ところが……。 「彼からは『アルバイトと住むところを探したい。いろいろと作業があるのでパソコンを貸してほしい』と言われました。それで、仕方なく貸してあげたのですが……」  退去日、橋本さんが外出先から戻ると、すでに彼はいなかった。パソコンはどうなったのだろうか。嫌な予感が的中する。 「パソコンがなくなっていました。慌てて電話とLINEをしましたが、すでに解約済みでつながりません」  そんなの貸すほうが悪いと言う人もいるのかもしれないが、管理人としては退去を伝えた手前、貸してくれと言われたら、貸さぬわけにはいかないと思ったそうだ。  しばらく橋本さんは家出青年を探したがダメだった。警察にも被害届を提出した。彼は、盗っ人だったのだ。
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多発する入居者たちのトラブル
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