カーライフ

カングーディーゼルを買いそびれた人はどうすべきか? 欧州車EV化への備え

最後のディーゼルモデル

オートクラブ 今回ご紹介するのは、ルノー・カングーのディーゼルモデル。現行カングーの最終ロット400台が、ルノー車として最初で最後のディーゼルモデルとして輸入された(しかも6速MT!)。排気量は1.5リッター。まさに消えようとしている虹に、ギリギリ追いついたかのようなクルマである。  運転して、涙が出た。ああ、これが憧れのルノー・ディーゼルか。国産初のクリーンディーゼル・日産エクストレイルの2リッターディーゼルエンジンも、ベースはルノー製だった。エクストレイルのディーゼルも最初は6MTだけで、カーマニアを大いに喜ばせたものだ。13年前のあの感動がよみがえる。  ディーゼルエンジンは低速トルクの太さがキモ。つまりMTで効率よく乗るには、こまめなシフトチェンジが欠かせない。発進してすぐ2速、時速30㎞で3速、40㎞で4速という具合に、ちょこちょことシフトチェンジを繰り返しつつ、グググッと盛り上がるディーゼルの低速トルクを味わえば、「これぞ憧れ続けたヨーロピアン・カーライフ!」と目頭が熱くなる。

低速トルクが足らず…

 しかし、そこにも滅びの予兆はあった。タコメーターが1200以上を指してないと、低速トルクが足らずにエンスト気味になってしまうのだ。かつてのディーゼルエンジンでは考えられないが、排ガス規制強化の影響だろう。ディーゼルの輝きは、もはや失われつつある。ルノーはすでに、ディーゼルエンジンの新規開発を中止しているという。  そんな、絶滅寸前のトキのようなカングー・ディーゼルだが、輸入された400台はすでに売り切れてしまって買えない。まさに悲報。
次のページ
次期カングーは?
1
2
3
4
5
6
おすすめ記事