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オグリキャップを輩出した名門復活。八百長で揺れた笠松競馬が再開

ずっと問題を抱え続けた笠松競馬場

一岡浩司

笠松競馬場公認の場立ち予想家・一岡浩司氏

「こんな競馬場潰してしまえ!」この報道がされたときSNS上では、多くの笠松競馬廃止の声が投稿された。公営競技という特性から、誰から不正に利益を上げれば、誰かが損を被ることになる。こういう声が出ることは自然の流れだった。笠松競馬場公認の場立ち予想家である一岡浩司氏は語る。 「00年代の売上不振や、借地問題(※全国でも珍しく競馬場の敷地の大半が私有地となっており賃借料が更に経営を圧迫していた)なので、常に存続の危機には晒されていましたので、今回のことで世間にから批判されることは仕方ないと思います。  ただ、こんなことを言ってはよくないのですが、コロナの影響もあって業界が活性化しているのは笠松にとっては幸いでした。健全な経営をして黒字を出せる今だからこそ、もう一度0から出発しようと、主催者も覚悟を決めることが出来たんだと思います」  たしかに今回の騒動における笠松競馬場の対応には、ある種の“覚悟”を感じた。HP上では「笠松けいばニュース」の欄で、事細かに今回の開催に至るまでの出来事をニュースとして上げ続けた。

一度リセット! 雨降って地固まるか……

 何度も再開が延期されたことでもわかるように、コロナの問題も相まって(※8日からの開催も無観客)、判断が難しい状況もあるだろう。そして何より、多くの廃業者を生んだことにより、レースが成立するのか?という問題もファンの間では囁かれ続けている。 「その問題はむしろ逆だと思いますよ。騎手が足りないといっても名古屋競馬から遠征してくれば確保は出来るでしょうし、これだけ開催が空いたので今までの実績は一度リセットされたようなもの。  残った残った9人のジョッキーだけでなく、新しく入ってくる人も含めて、全員にリーディングジョッキーになれるチャンスが生まれた。全国の競馬場で、一番ジョッキーのモチベーションが高い競馬場といっていいんじゃないですか」(一岡氏)  全レース、Youtubeで動画配信。先月の6日に行われた開催演習も動画で配信した。疑いの目が向いている今だからこそ、すべてを明らかに。エキサイティングなレースが繰り返されれば、自然とファンは悦び、“おうち競馬”の一場に加えてくれるだろう。  新星・笠松競馬の動向はどうなるのか。一度失ったファンの気持ちを取り戻すのは容易なことではない。これからの笠松競馬には要注目である。 文/SPA!編集部
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