卓球・平野美宇の睡眠を指導、日本唯一“スリープトレーナー”になるまで
日常生活に不可欠な衣食住。だが、これらを支える基盤として「睡眠」も非常に重要な要素だろう。
快適な睡眠ができなければ、翌日に支障をきたす恐れもあるし、睡眠の質が悪ければ健康への影響も懸念されてしまう。いま、コロナ禍でのテレワーク疲れのほか、“コロナ不眠”に陥る人も増えているそうだ。コアラスリープジャパンが全国の高校生以上の18歳から70歳の1055名を対象に行なった「2021年夏の睡眠の意識調査」によれば、日本人の35%は睡眠の質に満足していないとの調査結果が出た。
そんななか、日本唯一の“スリープトレーナー”として活躍する女性がいる。
ヒラノマリさん(30歳)は、東京オリンピックで銀メダルを獲得した平野美宇選手やプロ野球選手など、一流アスリートに睡眠のアドバイスを行っている。
ヒラノさんに、睡眠の質を上げるために心がけることや寝具の選び方について話を聞いた。
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ヒラノさんがスリープトレーナーを目指すようになったのは、「学生時代と社会人の象徴的な原体験がきっかけになっている」と話す。
「3歳から5年間LAで過ごし、帰国後は日本の小学校へ編入したんですが、海外文化との違いにギャップを感じてしまい……。日本の生活様式や考え方が合わず、学校生活に馴染めなかったんです。それがストレスになって、幼いながら不眠症に悩まされる時期もありました。『寝るのが怖い』『寝れなかったらどうしよう』と憂鬱に思う日々は、とにかく辛かったのを覚えています。
ただ、この頃の経験が睡眠に興味を持つ最初のきっかけでした。その後、今度は受験勉強で睡眠不足が続く生活に……。当時は将来弁護士になろうと思っていて、法学部のある大学を目指していたんです。睡眠時間を削ってまでも、必死に受験勉強に打ち込んでいたので、毎日寝不足の状態でしたね」
大学へ入学後、ヒラノさんの気持ちに変化が訪れる。「弁護士になる」という思いが、次第に「人と関わる仕事に就きたい」と考えるようになったのだ。
こうして、弁護士の勉強ではなく就職活動をスタートさせ、新卒で大手インテリア会社へ入社することになる。
「新卒で入った会社ではさまざまな経験をさせてもらいました。ショールームで営業やコンサルティングの仕事に携わっていたんですが、一般のお客様から会社役員、経営者、大使館の大使などのVIPまで幅広い層の対応を行なっていたんです。
ただ、多くのお客様と接客していくうちにサラリーマン生活に物足りなさを感じ、『もっと睡眠について深く学ぼう』と考えるようになりました。そこからは、空いた時間で論文を読んだり、睡眠に関連する資格取得のための勉強をしたりと、興味の赴くままに自然と行動していきました」
学生時代は不眠症や睡眠不足に悩まされる
新卒で大手インテリア会社へ入社
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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