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デフレの次はインフレ?止まらないエネルギー価格の上昇に“日本発”の円安が追い打ちか

 長年デフレに苦しんできた日本。次はインフレに喘ぐ日が訪れるかもしれない――。

原材料価格の高騰で物価が上がる「悪いインフレ」

 
ガソリンスタンド

緊急事態宣言の解除によって、個人消費の回復が期待されるも、じわじわと上昇するガソリン価格が水を差すかもしれない

 10月22日、総務省が発表した9月の消費者物価指数は、小幅ながら’20年3月以来のプラスに転じた。7年ぶりに1バレル=80ドルを突破した原油価格の高騰が大きく寄与した結果だ。  ただ、日本が待ち望んでいた個人消費の伸びによる「良いインフレ」ではなく、原材料価格の高騰で物価が上がる「悪いインフレ」のようだ。経済評論家の近藤駿介氏は次のように話す。 「コロナ禍で供給や物流網の混乱から、コスト高やモノ不足のために値上げを余儀なくされる商品が広がっていた。そこにエネルギー価格が高騰。原油だけでなく、火力発電に使われるLNG(液化天然ガス)も、二酸化炭素の排出量を減らそうと各国が石炭からシフトし、争奪戦となっている。昨年のような寒波に見舞われれば、今年の冬も電力・ガス料金の急騰は起こりえます」

なんともタイミングが悪い……

 一時、LNGのスポット価格は10倍を超え、過去最高を記録している。さらに追い打ちをかけるように円安が忍び寄る。10月21日時点で、1ドル=114円台前半と、3年ぶりの「円安ドル高」水準にあるのだ。 「ここ最近の円安は、皮肉にも“日本発”。下半期に向け、10月に発表された金融機関の新たな運用計画を見ると、円を売ってドルを買う動きが目立つ。来年以降の、米国の政策金利引き上げを見越しているのことですが、なんともタイミングが悪い……。エネルギーや原材料の輸入価格がさらに上がってしまう可能性がある」
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景気は停滞しているのに物価上昇が続く?
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