仕事

職場崩壊を招いた上司の気分屋ぶり。部下は全員“異動願い”を提出

上司の顔色をうかがう日々

上司ガチャ それからは“けんか相手”もいなくなり、「少しは働きやすい環境になるだろう」と期待していた斎藤さんだったが……。 「機嫌の悪いときは終始しゃべらず、誰が見ても分かるくらいに“話しかけるなオーラ”を出していました。ようやく口を開いたかと思えば、人の揚げ足をとるようなことばかり。上司が明るくふるまうのは唯一、自分が出勤時間ギリギリに来てノーメイクのときだけ」  社員たちは、上司の顔色をうかがいながら仕事をしていた。ある日、上司に嫌気がさした副店長の先輩Bさんが本社に相談した。しかし……。 「どこから聞きつけたのか、副店長Bさんに対して当たりが強くなりました。無理な案件を押し付けたり、納期ギリギリになって初めて重要な情報を伝えたり……」  斎藤さんが風邪で休んだ際には、「数日前に体調を聞いたときになぜ言わなかったの?」と頓珍漢なことを言われるケースも。「事前に風邪を引くことが分かるわけない」と呆気にとられたそうだ。  そして、1年も経たないうちに一緒に働いていた社員全員が異動願を提出。現在は、バラバラの店舗で仕事を続けているそうだ。

持病に対する理解がない上司

 同じく、上司ガチャ失敗談を語ってくれた江川里美さん(仮名・20代)。大学では国際関係を学び、グローバルアパレル企業に新卒で入社。  海外勤務の前に、しばらくは国内の店舗で経験を積むことになっていた。しかし、「摂食障害」という持病を抱えていた江川さんは体調を崩してしまい休職。その後、本部に異動して事務職に就くことになった。そこで出会った上司がひどかったという。  江川さんは、医師から決められた時間に食事を摂るように言われていた。  人事担当とも相談のうえ、昼休憩の取り方や出退勤などの時間調整をしていた。しかし、人事担当がきちんと上に話を通していなかったことが判明したのだ。 「その結果、私の働き方が懲戒委員会に移され、処分にまでは至らなかったものの、“就業規則違反”との決定が下されてしまったんです」  そんな最中、上司が江川さんに向けて衝撃的な言葉を放った。
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「辞めたほうがいいんじゃない?」
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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