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北京五輪、ドーピング疑惑に不可解な判定。疑惑の祭典と揶揄される背景は?

―[今週の顔]―

ドーピング疑惑に不可解な判定。疑惑の祭典と揶揄される背景は?

北京五輪

3度目の冬季五輪出場で見事、金メダルに輝いた平野歩夢選手。決勝2本目ではすべての技を成功させたのにもかかわらず、採点が伸びず、本人も「納得いってなかった」と発言 写真/産経新聞社

 時に氷点下20℃を下回る極寒のなか、熱い戦いが繰り広げられている北京五輪。日本選手の活躍に目頭を熱くしている人も多いだろう。一方、度重なる不可解な判定に怒りが沸騰した人も多いはず。スキージャンプ・高梨沙羅選手の失格や男子スノボハーフパイプ・平野歩夢選手の低すぎる採点など、日本選手に“疑惑の判定”が下された例も少なくない。このほか、女子フィギュアのワリエワ選手(ロシア)はドーピング疑惑に巻き込まれ、中国の選手が絡む奇妙なジャッジも相次いでいる。現地取材中の記者が話す。 「ショートトラック男子1000m準決勝では韓国選手が失格になって中国の任子威選手が決勝に繰り上がり、その決勝では先頭のハンガリー選手が失格にされて任選手が金メダルに輝いた。同1500mにも出場した任選手は準決勝で失格になりましたが、これに海外メディアが驚きの声をあげるほど中国びいきのジャッジが目立ちます」  疑惑の解明には時間を要するが、「疑惑の目を向けられる理由は明確」とスポーツライターの玉木正之氏は話す。 「IOCが人権問題を無視すれば、中国での開催からして疑問視する声が溢れるのは当然のこと。もはや、素直に五輪を楽しめなくなっているんです。そうさせたのは、五輪憲章で『国家間の競争でない』と謳いながら、国別のメダル数を公表しているIOC自身。競技に興味のない人にも見てもらえるよう、国家間の競争を煽っている。だから、競技を知らない人まで判定に疑義を唱えて収拾がつかなくなっている」

疑惑の判定を払拭するためには?

 疑惑の判定を払拭するためには、スポーツの原点に立ち返るのも手だとか。 「19世紀に誕生したサッカーでは当初、両チームから選手兼審判員を任命していた。平野歩夢選手の2回目の採点に関して世界中のスノーボード関係者が不満の声を発信していましたが、素性の知れない審判員でなく、競技関係者が採点すれば納得できるはず」(玉木氏)  疑惑の採点がアスリートの活躍に水を差すような事態は避けてもらいたい。 =====
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韓国選手団は失格についてスポーツ仲裁裁判所に提訴
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