プーチンの頭の中はどうなっている?貧乏時代にネズミから学んだこと
2月24日、ロシアがウクライナに侵攻し、世界を震撼させました。第二次世界大戦以来最大の危機を前に、国際秩序が大きく揺らいでいます。
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しかし、彼は最悪のカードを切りました。一体、どうしてこんなことになってしまったのでしょう? 一部ではパーキンソン病を患ったプーチンの焦りなのではないかとも囁かれていますが、現段階では憶測に過ぎません。仮に病気が事実で引き金になったとしても、それだけでここまでの大変な決断に至ったと結論づけるのはなかなか難しそうです。
すると、この疑問を解くカギは、もっとパーソナルな部分にあるのかもしれない。ロシアの軍事、安全保障の専門家で、東京大学先端科学技術研究センターの小泉悠専任講師は、プーチンという人物をこう分析していました。
<ロシアの「パワーこそすべて」みたいな世界観とか、「君らは僕らの勢力圏にいるんだから、お前らには完全な主権はない」という考え方は、18世紀、19世紀なら普通の考え方だった。プーチンが18世紀のロシア帝国の皇帝だったら名君です。でも、それを21世紀にやってしまったことが大問題なんです。ですから、僕のプーチンのイメージは、「天才戦略家」だとか、「悪のリーダー」だとかいうよりも、「古い男」。頭の中が100年単位で古い。数世紀遅れているというイメージなんです。>(『文春オンライン』2月26日配信:ウクライナ軍事侵攻「頭の中が100年単位で古い」プーチンの“あまりに特殊な国家観” より)
このガチガチのアナクロニズムが、こけおどしでもファッションでもなく、確かな実感をともなってプーチンの人格を作っていったのだとすれば、どこにそのきっかけがあったのでしょうか?
イギリス紙『The Telegraph』が、謎多き私生活について書いていました。「 The private life of Putin – who is the man behind the iron curtain?」(2月25日配信 Guy Kelly and Matt Qvortrup プーチンの私生活 鉄のカーテンに隠れた男は何者なのか 以下引用は筆者訳)というタイトルで、幼少期からKGBでのキャリアなどを振り返っています。
小学校時代の先生は、やせっぽちで小さかったプーチンは、甘やかされて小生意気で、<一生懸命に頑張ることはしない子だった>と語っています。
多くの専門家はプーチンの“賭け”を予測できませんでした。力づくでウクライナを獲得することと、その代償として日本を含む欧米諸国が課す経済制裁や国際社会からの信頼を失うことを天秤にかけた場合、中長期的にはロシアにメリットがないと考えられていたからです。
力の信奉者であると同時に冷徹な現実主義者であるプーチンが、そんな暴挙に出るはずがない。それが大方の見立てでした。
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プーチンの頭の中は18世紀?
やせっぽちで小生意気な小学生
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