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アイビスサマーダッシュだけじゃない!枠順とコース取りだけで決まった「超不公平なレース」5選

雨の極悪馬場で内の馬は進んで行かず! 2020年キーンランドカップ

 雨の影響を大いに受けたという意味で印象深いのは2020年のキーランドカップです。舞台は札幌芝1200m。北海道の芝コースは洋芝という、一般的にタフでパワーを要することで知られているのですが、さらに雨が降ったことで超パワー馬場に。  一瞬で決してしまう短距離戦ゆえに、内を通らされた馬はほとんど進んでいかず、最終コーナーでは多くの馬が勝負圏外に脱落。外枠から外を通れた馬が続々と押し上げて来た結果、16頭立てのレースは上位から「14→12→15→13→16番」というキレイに外側の5頭で掲示板の5着までを独占しました。  ちなみにこの時4番枠という不利な枠順に泣いて6着に敗れていたのがビリーバー。そう、先日のアイビスサマーダッシュでは16番枠から突き抜けた馬です。枠順に笑うこともあれば泣くこともある。運が左右するのも競馬の面白さなのかもしれません。

新世紀の大波乱はサインより枠順が要因? 2001年有馬記念

 最後は、有名なあのレースを取り上げます。2001年の有馬記念です。実はこのレース、世相から予想をするサイン馬券界隈では語り草になっている一戦です。  そう、2001年はニューヨーク・マンハッタンで世界を震撼させたテロ事件があった年。世相を反映するといわれるグランプリ・有馬記念を勝利したのは“マンハッタン”カフェ、そして最低人気ながら2着に粘り込んだのは“アメリカン”ボス。サイン馬券が炸裂したレースだったのです。  しかし、実は枠順によって決まったレースだったことはあまり知られていません。そもそも当時の主役は引退が決まっていた現役最強馬テイエムオペラオーと、その最大のライバル、メイショウドトウ。当然のように2頭が人気を集めたのですが、両馬は舞台となる中山芝2500mで圧倒的に不利といわれる8枠。結果、4~5着に敗れてしまったことが波乱の一因でした。  ちなみに勝ったマンハッタンカフェは4番枠。前半インでジッと我慢すると直線は末脚を爆発させました。2着のアメリカンボスは1枠1番、3着トゥザヴィクトリーは2枠2番。終わってみれば4→1→2番という、超内枠競馬だったわけです。  いかがだったでしょうか? 直線競馬のみならず、レースには枠順の有利不利がつきもの。その枠順は抽選で決まるわけですから、やはり運を味方につけないと勝てないのが競馬でもあります。もっとも、馬券を買うファンからすると事前に有利不利がわかれば高配当をゲットするチャンスでもあります。ぜひ、直線競馬以外でも「不公平レース」を探してみてください。思わぬ高配当のチャンスが転がっているかもしれません。 文/TARO
競馬予想ブログとしては屈指の人気を誇る『TAROの競馬』を主宰する気鋭の競馬予想家。12月5日に最新刊『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)が発売になった。著書は他に『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(扶桑社)が発売中。
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