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自己破産を経験した47歳元パチプロ「精神的に追い詰められて勝てなくなった」

パチンコマンガ誌に転職して歯車が狂う

パチンコ

写真はイメージ

 移籍先の出版社は在籍していた出版社ほど有名ではなかったが、パチンコ系のマンガ雑誌を出しており、経験のある松田さんにとってはまさにうってつけの職場になるはずだったのだが……。 「前職と比べると規模も知名度も低くて、入ったばっかの頃は編集部で一目置かれてたんだよ。それで半年後にはアルバイトから契約社員になってさ、その辺りから調子に乗って、よくある『前の職場じゃ〜』をやっちゃった。今思えばのんびりした職場ですごくよかったんだけど、前の職場はゴリゴリに働いてたから『こんなぬるま湯じゃダメだ! オレがやんなきゃダメだ』ってなっちゃって、まぁ、煙たがられるよね(苦笑)」  こうして編集部では腫れ物のようになってしまった松田さんは、さらに大きな勘違いを起こしてしまう。 「ちょうどパチスロに爆裂ストック機が登場して、休みの日とか仕事終わりにゲーム数狙いで打つだけでそこそこ稼げたんだよ。ホールの状況もいいし、オイシイ状況だった。でも、会社に行くと編集部の連中はいつも『昨日は●万円負けた』って負けた話ばっか。こいつら、雑誌も作れねぇしパチンコもパチスロもダメじゃねぇかって。こんなヤツらと一緒にいたら雑誌も作れなくなるし、パチンコ・パチスロも勝てなくなるって本気で思い始めてた」

会社を辞めてプロになる

 もはや完全なる天狗状態である。他の編集部員とは険悪な空気が張りつめる毎日だが、反比例するようにパチスロの収支は上がっていったという。  パチスロも勝てる、有名パチスロ雑誌の編集者だった経験もある、なのになぜ誰もオレの言うことを聞かないんだ……。そんな鬱屈した気持ちが積もり、松田さんはせっかく契約社員になったにもかかわらず、1年を待たず会社を辞めてプロになる決意をしてしまう。 「プロで稼いで見返してやろうって気持ちになっちゃったんだよね。今考えると、狂ってるとしか思えない(苦笑)。それで、ライターとしてオレが実戦記事書いてやるよくらいの感じだった」
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パチプロになったが心は満たされず…
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グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター

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