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これが人類の進化形?『クレイジージャーニー』で衝撃になった“身体改造の未来”

「身体改造アーティスト」と呼ばれる人も

ケロッピー前田

トレパネーションとは頭蓋骨に穴を開ける行為、それをすると意識が覚醒すると主張している人たちがいる

――現在はタトゥーやピアスがメジャーになっていますが、他の身体改造は今後どのように展開すると考えますか? ケロッピー前田:今までマイナーだったものが広く知られてメジャーになったという単純な話ではありません。タトゥーには長い歴史があります。ピアス(ボディピアッシング)は全身の約80か所にできるといわれます。  だから、世界の多くの国々でタトゥーショップやピアッシングショップといった専門店がビジネスとして認められています。専門店でできる改造は、治癒の個人差が少なく、アフターケアも難しくないので、誰にでも提供されます。  一方、専門店でもできないもっと新しい改造は、「身体改造アーティスト」と呼ばれる人たちが希望者と個別にやりとりして実施します。この領域がボディーアートでバリエーション豊富です。  ボディーアートはタトゥーなどのように幅広く一般化されないでしょう。治癒の個人差やアフターケアの難しさ、単純にタトゥーやピアスより痛いといった問題があるので、ビジネス化されずに、これからも実験的な形で残っていくと思います。

「舌の切り裂き」が日本で広まる可能性も

ケロッピー前田

ケロッピー前田さんの腕には、電磁コイルで光るLEDインプラントを埋め込んでいる

――それは日本も同じでしょうか? ケロッピー前田:海外には身体改造アーティストがたくさんいます。しかし、日本では身体改造をサポートできるアーティストがいるのかというと微妙です。ただ、スプリットタン(舌の切り裂き)などセルフでもできる改造が日本ではもっと広まっていく可能性はあります。 ――身体改造の最先端を教えてください。 ケロッピー前田:新しい身体改造の領域には、マイクロチップや磁石、電子機器を埋め込むボディハッキングがあって、サイボーグになりたい人たちが実践しています。チップなどを体に埋め込むことで、人間はサイボーグ化され始めています。サイボーグ時代が到来しつつあります。  ボディハッキングもカウンターカルチャーから出てきて、特にハッキングカルチャー(ハッカー)と関係があります。ただ、DIYだと技術的な限界があります。コーティングして埋め込む技術はDIYの世界でもかなり進んできました。一方で、それに包むデバイスの性能はまだまだで、体内に入れられるのはLEDや磁石です。  もともと動物に入れてきたマイクロチップは、人間用に改良してDIYで埋め込めるようになり、発展しています。チップはデータを書き換えられて、プログラムでいろいろできます。容量がかなり大きいチップも作られています。でも、もっとすごい技術革新がないと大きくは進めません。
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イーロン・マスクが狙う「身体改造ビジネス」
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家庭教師&ライター。アート、オカルト、教育を軸に、広く文化全般が興味関心の対象です。まじめに教材作成をする一方、サブカル、妖怪、アングラ、フェチなどに関連するイベントを取材します。水木しげる御大がお亡くなりになった年に「境港妖怪検定」上級合格、数少ない上級妖怪博士になりました。著書『がんばらなくても偏差値が10あがる中学生の勉強法70のヒント』、教育サイト「みみずく戦略室」、Twitterアカウント:@mimizuku_tutor

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