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これが人類の進化形?『クレイジージャーニー』で衝撃になった“身体改造の未来”

政府のマインドコントロールに利用される?

ケロッピー前田

プラスティネーション工場を訪問したケロッピー前田さん

――将来ニューラリンクのようなチップ埋め込みが当たり前になると、政府などがマインドコントロールに利用するのでは? ケロッピー前田:ただ、ニューラリンク自体が実用化寸前まで来ているのは、ChatGPTなどの対話型人工知能が短期間で進化していることに危機感を抱く人たちがいるからです。  マイクロチップが普及しているアメリカでは、ネバダ州で「マイクロチップの埋め込みを強制してはいけない」という法律ができました。そういう州の誕生がアメリカっぽいと思います。

やがて「チップを体内に入れる」選択肢も

――逆に日本だと「全員がマイクロチップを埋め込みなさい」という法律ができそうな気もします。 ケロッピー前田:確かに動物ではチップ埋め込みが義務化されましたが、人間とは全然違います。マイクロチップに限らず、テクノロジーを企業や国家に独占させてしまったら、テクノロジーがどう使われているのかを個人が把握できません。テクノロジーを個人に取り戻す行為がボディハッキングです。  たとえば、コンピュータの歴史では、60年代にマザーコンピュータに人類が支配されるという危機感が生じ、1人が1個ずつパーソナルコンピュータを持てば支配されないという「ダイナブック構想」が誕生しました。この思想を具体化したのはスティーブ・ジョブズのMacintoshで、彼は生前にスマートフォンまで作りました。  チップが5年前に流行って「スマホの次はチップだ」となったとき、僕は『クレイジージャーニー』の取材で、「ボディハックス」という会議に足を運びました。当時よりチップの技術は発展し、さらに一歩進んでニューラリンクが登場しました。  現在も、パソコンやスマートフォンがテクノロジーの独占から個人を守るのに機能しています。今度は人工知能の台頭を前提として「チップを体内に入れますか?」という選択肢が出てきています。
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コンセプトは「身体改造の30年史を振り返る」
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家庭教師&ライター。アート、オカルト、教育を軸に、広く文化全般が興味関心の対象です。まじめに教材作成をする一方、サブカル、妖怪、アングラ、フェチなどに関連するイベントを取材します。水木しげる御大がお亡くなりになった年に「境港妖怪検定」上級合格、数少ない上級妖怪博士になりました。著書『がんばらなくても偏差値が10あがる中学生の勉強法70のヒント』、教育サイト「みみずく戦略室」、Twitterアカウント:@mimizuku_tutor

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