更新日:2023年04月12日 16:49
エンタメ

元UUUM“社員YouTuber”が、新卒入社から25歳までに独立を決めたワケ「何もないまっさらな状態でも」

「ぷらぷらぶ」のMCを務めた2年間は“第二の青春”


 そして、2020年9月にYouTubeチャンネル「ぷらぷらぶ」のMCに抜擢されると、そこからさまざまな動画へ出演。“社員YouTuber”として、次第に人気を獲得していく。 「『ぷらぷらぶ』では、動画撮影の現場でも自分たちで撮影から企画、構成を考えていたので、“ありのままの自分”を出すように心がけていました。そんななかで学んだのは、メンバー同士の役割分担でした。誰かができないものは、誰かがフォローする。お互いの得意・不得意や性格を理解し、みんなで助け合いながら動画を作っていく重要性を学ぶことができました」  最初は考え方が合わず、意見の不一致が生じたため、メンバー同士でぶつかることも多かったとか。転機になったのは、2021年9月にメンバー3人が1ヶ月間、ハウススタジオを借りて寝食を共にしたことだった。 「プライベートも仕事も一緒に過ごしたことで、お互いを理解し、腹を割って話せるようになりました。1ヶ月という期間ですが、すごく濃密な時間だったと思います」  さなまるさんは、ぷらぷらぶのMCを2年間務めていたが、その期間は「“第二の青春”のような感覚で、とても思い出深いものになっている」と目を細める。 「2年間、YouTubeチャンネルに出させてもらって、本当にいろんなことがありましたが、すべて楽しい思い出として心に残っています。なかでも一番のエピソードは、短編ドラマ企画の『シンデレラ三姉妹』でヒロイン役に選んでもらったこと。撮影のためにスタジオを借りたり、台本を用意したりと、かなり本格的な企画だったんですが、私自身はドラマの出演経験がなくて。  不安と楽しみが入り混じりながら、必死に演技をしていましたね。でも、この企画をきっかけに演技にハマったので、また機会があればドラマにも挑戦したいなと思っています」

目標は“職業さなまる”

インスタグラム

さなまるさんのインスタグラムより(@hashimoto_sana/)

 2022年9月に独立したさなまるさんは、個人のYouTubeチャンネル「さなまるちゃんねる」を開設。フリーランスとして芸能活動をスタートした。  会社の後ろ盾がない個人としてやっていく覚悟を決めたのは、「25歳になった自分を想像したとき、もっとやってみたいことに挑戦し、自分の力を試したいと思ったから」だったという。 「大学時代から経営に興味があり、一度外の世界に飛び出してみよう。そう思ってUUUMを卒業する決断をしました。実を言うと、仕事も何もないまっさらな状態で辞めてしまったので、正直初めは不安でしたね。ちょうどその頃に、TikTokのクリエイターアカデミーに入っていて、そこで短尺動画を伸ばすノウハウを学んだので、『YouTube ショート』から動画コンテンツを作っていきました」
CloneGirls

CloneXのアバターを活用した音楽ユニット「CloneGirls」のキービジュアル

 直近ではCloneX(現代美術家・村上隆も参画する海外発のNFTプロジェクト)のアバターを活用した音楽ユニット「CloneGirls」のメンバーに選出され、東京ジョイポリスで初ライブを行うなどWeb3領域での活動も本格化している。
ライブの様子

2023年3月16日に東京ジョイポリスで行われた「Web3 Night in JOYPOLIS」でのライブの様子

 今後の展望について、さなまるさんは「自分のチームづくりをしていきたい」と語る。 「動画編集は今まで姉や幼なじみに依頼していたんですが、最近はおかげさまで自分にしかできない仕事が増えてきて。そのため、しっかりとしたチームづくりが大切だと感じています。CloneGirlsは演者を支えるクリエイティブチームが組成されていて、仲間で成長していける環境が整っているんですよ。なので、自分自身のYouTubeや芸能活動も一緒に切磋琢磨できるチームを作り、いろんなことにチャレンジしていきたいですね。目標は“職業さなまる”になること。これからも応援よろしくお願いします!」  物事は“表裏一体”という言葉もあるが、社員YouTuberとして、どちらの仕事も真摯に取り組んできたからこその「視点」が大きな強みとなっているのかもしれない。それをどのように活かしていくのか、彼女の未来に注目したい。 <取材・文・撮影/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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