——たぶん芸人がこの本を読んだらすごくためになるし、芸人じゃない人が読んでも、人がなぜ過ちを犯してしまうのかということがわかるから、人生の勉強になりますよね。 浜口：僕が書いていて思ったのは、不安から始まる行動ってろくなことにならないんやな、ということですね。不安からやろうとしたことって運を呼ばないような気がしました。 ——木本さんが投資に興味を持ったのも、芸人としてずっと仕事を続けられるのかという焦りや不安があったからなんですよね。 浜口：一見華やかに見える芸能人が不安を抱えているのって、運に左右されるからだと思うんですよね。役者さんとかでも、演技力が全く同じ人がいるとして、どちらかにしか仕事が来なかったりするじゃないですか。そうすると、「あいつが売れていてなんで俺には仕事が来ないんだ」って思ってしまうんでしょう。運って確かなものじゃないから、不安になりやすいんでしょうね。 ＜取材・文／ラリー遠田＞ お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『教養としての平成お笑い史』など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』