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「TKO木下の修正依頼は1か所だけ」取材を重ねた作家が直面した“謎のこだわり”

「相方を面白い」と思えるからこそ長く続けられる

——ご本人にとってはそこが重要だったんですね。 浜口:そうみたいですね。「浜口さん、ご存じないかもしれませんが、自転車でもお遍路を回ったっていう証明書は出るんですよ」って言われて。いや、そういう問題じゃないでしょ、って思ったんですけど(笑)。でも、そういうところが面白いし、根っからの芸人なんやな、って思いました。 ——人間として面白いですよね。 浜口:特に相方の木本さんはそこを一番面白がっているんですよね。たぶんお笑いコンビって、お互いが相方のことを面白いと思っていたら、どんなに仲が悪い時期があっても続けられると思うんですね。この本の中でもそこはなるべく強調して書きました。 ——このような事実をもとにしたフィクションというのは、浜口さんとしても新しい試みだったそうですが、実際に書いてみていかがでしたか? 浜口:僕はもともとタレント本を読むのが好きなんですけど、普通のタレント本は事実を知る面白さはあるけど、物語の部分はそこまで自由に書けないじゃないですか。今回の本は、事実をもとにしたフィクションとして書けるのが良かったです。 たぶん、普通の作家さんだったら、普段から芸能人と接点があるわけじゃないから、こういう本を書こうとしてもなかなか踏み込めないところがあったりすると思うんですよ。でも、僕はもともと放送作家だったからそこはわかるんですよね。やり方としては面白いし、今後もいろいろ書けそうだなと思いました。 <取材・文/ラリー遠田>
お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『教養としての平成お笑い史』など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで
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