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“刑務所なのに”食事はステーキ?増加する「外国人受刑者」の実情

受刑者が過ごす1日のスケジュール

刑務所のスケジュールはどのようになっているのか。とある刑務所の1日を紹介する。 《基本スケジュール》 ・月曜日~金曜日の基本起床時間 6:30(土日祝の免業日は起床時間 7:00、以下「免」と表記) ・朝食 7:00※免/7:30 ・出 房 7:30 ・作業開始7:40※免/終日余暇 ・休憩(15 分) 9:45 ・昼食・休憩 11:50~12:30※免/昼 食 12:00 ・休憩(15 分) 14:00 ・作業終了 16:30 ・還房 16:40 ・閉房点検 16:50 ・夕食 17:00※同 ・余暇 17:30※同 ・消灯・就寝 21:00※同 「日本人受刑者も外国人受刑者も同じタイムスケジュールです。規則正しい生活で、矯正していくわけです。もちろんテレビが観られたり、自由時間がありますから、そこまで締めつけているわけではないというのが刑務所側の言い分ですが、懲罰や厳しさはその刑務所の刑務所長の物言いひとつです」

「独居房で過ごす」F受刑者の処遇

それでは処遇についても触れてみよう。 F受刑者は昼夜通して独居房で過ごす。他の受刑者とのトラブルを防ぐためである。国籍の違う者同士では様々なことが起きると予想されるというからだという。それもそのはず、言語の問題があるからだ。 刑務所内では、刑務官と外国人受刑者との意思の疎通が必要。受刑者の中には少数言語を使う者もおり、全国のF受刑者全員と円滑なコミュニケーションを取るには30種類以上の言語が必要らしい。そのために、刑務所内には国際対策室を設置、各種大使館と連携をとって、専門家や通訳を配置し、業務に当たっている。 独居房内の日常生活に関しては、ベッドや椅子などの備品の支給、宗教行為に使用されるイスラム教の礼拝用マットも支給されているそうだ。さらにその配慮は、外国語の新聞や書籍の購入、海外のテレビやラジオ番組を視聴できる機会を与えたりと、夕食後や免業日の時間を快適に過ごせるように配慮することに努めている。 「ここに配慮するのも大変です。日本人受刑者よりも気をつけなければならない。現役のころは、極力宗教上のことには触れないようにしていましたね」
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受刑者の食事にステーキが?
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作家として複数連載、著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。各ポータルサイトで編集長、文化人タレントとしてテレビ・ラジオ・web番組出演多数

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