――『ボキャブラ天国』が始まる前、ちっちゃいお笑いブームがあった気がするんですよ。「関東高田組」（高田文夫が旗揚げし、立川志らくや立川談春、松村邦洋、浅草キッドらが所属）が暴れ回っていた頃の。 金谷：はいはいはい、ありましたね。 ――あの頃に自分はお笑いにハマって、そのときに金谷さんを初めて見たんです。当時の金谷さん、すごく尖って見えたんですよね。 金谷：あ～、よく言われますね。 ――思います、ご自身で？ 金谷：う～ん、自分としてはそういう感じではないんですけど。まあ、社交性もなかったし、人見知りでもあったので、舞台の上だけで弾けるみたいなことをやっていたら、そういうふうに見えたのかもしれないし……まあ、実際に尖ってた気もしますね（笑）。「これでのし上がっていこう」という気持ちもあって。でも、当時の若手ってそうだと思うんです。みんな、「自分が一番面白い」と思ってやってた気がするので。 ――あの頃のラ・ママでは、他人のネタで笑う芸人がいると渡辺正行さんから怒られたと伺いました。そういう教えを受けたから、当時の若手は尖っていたんでしょうか？ 金谷：まあ、たしかに当時の楽屋はわりとピリピリしていたような気がします、 ――当時のブームで目立っていた芸人には、浅草キッド、大川興業、松村邦洋さん、ホンジャマカ、バカルディ（現さまぁ～ず）、爆笑問題などがいて。今でも、太田光さんは恵俊彰さんの悪口をよく言ってますけど（笑）。 金谷：ハハハハ！　ずっとですよ。 ――そういうバチバチの関係は、そこかしこにあったんですか？ 金谷：個人的に太田光が「恵、嫌い」って言ってるっていうだけの話なので、別に僕自身はそんなに思ってないですけど（笑）。 ――今の若手芸人は、みんな仲がいいですよね。 金谷：もう、そうなんでしょうね。そういうのがあんまりカッコよくないというか、逆にだせえみたいな。