エンタメ

“ボキャブラ芸人”金谷ヒデユキの今。昔の自分は「尖っていたと思う」

周りに馴染む爆笑問題・太田が羨ましかった

――『ボキャブラ天国』での芸人さんの楽屋は、いわゆる大部屋ですよね。そこでは、金谷さんだけが壁を作っていた? 金谷:壁を作ってたっていうか、知らないうちに壁ができてたって感じですね。自分が作ったわけじゃないんですけど。だからもう、転校生みたいな感じですよ(笑)。「みんな、楽しそうだなあ」って遠くから眺めながら。「なんだよ、昔は爆笑問題だって周りに誰もいなかったのに、今はみんなと仲良くして!」って、ちょっと羨ましがってました(笑)。 ――そうなんですよね。『笑いの殿堂』(フジテレビ系)に出てた頃の太田さんは、大人しくしていたイメージがあったので。 金谷:でしょ? 最初は暗かったですけどね。 ――なのに、『ボキャブラ天国』では全然ノリが違うから(笑)。 金谷:アハハハハ! 「ワーッ!」つってね(笑)。「どうした!?」みたいな。「あいつもこっち側だったのになあ」みたいな。「陰キャだったのに陽キャに変わったなあ」みたいな印象を持ってましたね。 ――自分も視聴者として見てて「なんで、こんなに人が変わっちゃったの!?」って。 金谷:ハハハハハ! やっぱ、そうでしょ? テレビ見てる人もそうでしょ?

「面倒くさい先輩」になってしまったことを後悔

――百発百中主義でボソッと言って笑いを取る感じだったのに、ハズしてもいいからギャグをポンポンまくしたてるみたいな感じになっていて。 金谷:ああ、でもそれは言われましたね。「別に面白いこと言わなくたっていいんだよ」というのは、楽屋で彼は言ってました。 ――あと、金谷さんがみんなの輪に入れるように、いろいろと太田さんも動いていたという話を聞いたことがあります。金谷さんは小さい頃、「忍者になりたい」と言っていたという話があって……。 金谷:あ~、あったあった、思い出した! 当時、『ボキャブラ天国』のメンバーで営業に行くことが結構あって、みんなで新幹線で大阪に行ったとき、太田光が「金谷って昔、忍者になりたかったんだぜ」とか急に言いだして、ホリケンが「そうなんですか?」って。  そういうやり取りをすることで、俺にパスを出してくれてたと思うんですよ。なのに、そこで俺は恥ずかしがって「ちょっと、そんなのいいから」みたいな間違ったリアクションをしちゃって(笑)。「イジるなよ、俺を」みたいな空気を出して、そこでまた面倒くさい先輩みたいになってしまって。 「あのとき、ちゃんと乗っかってればみんなの輪に入れてたな」というのは、今もすごく思いますね。……ああ、今質問されてすげえ思い出した! ちょっと、人の傷を掘り出すのやめてください(笑)。なんかウケるスベるより、そういう人間関係で失敗したことをすごく覚えてますねえ。 ――あの番組は集団生活みたいなところもありましたからね。 金谷:はい、そうです。
次のページ
他の芸人のファンから送られた脅迫状
1
2
3
4
5
6
おすすめ記事
ハッシュタグ