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“ボキャブラ芸人”金谷ヒデユキの今。昔の自分は「尖っていたと思う」

他の芸人のファンから送られた脅迫状

金谷ヒデユキ氏――ボキャブラブームではアイドル的人気を誇る芸人さんが多かったですけど、そういう芸人さんと金谷さんは一線を画していたイメージがあります。 金谷:たしかに、僕はそんなにキャーキャーは言われてなかったような気がします。逆に、ネタにした芸人のファンから脅迫状が来たりしましたから。 ――1枚の便箋に小さい字で「死ね」と何百、何千と書いてあった……という話を聞いたことがあります。 金谷:でも、そういう手紙が来て「すげえ労力だな」と、逆に嬉しかったですね(笑)。 ――『ボキャブラ天国』での金谷さんは、若い女性ファンよりも大島渚さんとか大人の人にウケがいい印象です。 金谷:そうですね、大島監督にはハマってたような気がします。BOOMERは大島監督に全然ハマってなかったですけど。 ――BOOMER、ハマってなかったですね(笑)。金谷さんは知的な人に好かれるタイプで、たぶん海砂利水魚(現くりぃむしちゅー)もそっち側だった気がするんですけど。 金谷:ああ、そうかもしれないですねえ。

ハマコーを前にして「キレられるかどうかの紙一重」

――アイドル的人気を誇る芸人さんとは違う路線で、大人にはウケてたということですよね。あと、『上岡龍太郎にはダマされないぞ!』ではハマコー(浜田幸一)さんにもハマってましたよね。 金谷:そうそう、浜田幸一さんをネタにした曲を本人の目の前でやって。本当にドキドキしながら歌ったらハマコーさんも笑ってたから、快感はすごかったです。それが、やってて一番嬉しいですもん。目の前でやって、その本人が思わず笑っちゃうっていうのが。 ――キレられるかどうかの紙一重で、賭けに出るみたいな。怒らすほうに確信犯で踏み込んじゃダメなわけですよね。 金谷:そうですね、怒らせるためにやってないですから。笑わせるためにやってるので。本人までも笑っちゃうっていうのが一番気持ちいいですね。 ――そういう勝負どころって、毒舌芸をやってる方には訪れますよね。あと、あの番組(『上岡龍太郎には~』)は怖い人が多かった気がします。上岡さんとか大竹まことさんとか。 金谷:ああ、そうですね。でも、上岡さんも大竹さんも面白がってくれてましたね。 <取材・文/寺西ジャジューカ 撮影/中川菜美> 【金谷ヒデユキ】 1965年、群馬県生まれ。お笑い芸人、声優、ミュージシャン。『ボキャブラ天国』では「地獄のスナフキン」のキャッチフレーズで人気を博した。ギター漫談・替え歌。声優では『けいおん!』『機関車トーマス』『トイ・ストーリー4』『アベンジャーズ/エンドゲーム』とヒット作で活躍。ミュージシャンとしても「金谷ヒデユキ&邪道アコースティックファクトリー」として音楽ライブに出演中。
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