父の葬式で“喪服を着なかった”母と絶縁…宗教2世の娘が振り返る「母が歪んでしまった理由」
―[家族に蝕まれる!]―
「宗教2世が世間を騒がせる事件を起こすたび、『先を越された』――そんなふうに思っていました。同時に、『自分が殺人犯になっている世界線もあったかも』などと本気で考えていました」
言葉を慎重に選びながら内面の葛藤を口にするのは、水野宏美氏(仮名・40代)だ。山上徹也被告による安倍晋三元首相襲撃事件を想起させる発言に驚くが、こちらの意図を察したようにこう続けた。
「もちろん、人の命を奪うことは許されないし、実行しようと具体的に考えたことはありません。けれども、宗教によって家庭や人生がめちゃくちゃになった人は多く、それを黙殺してきた社会に恨みを抱く人は相当数いると私は思います。極限まで追い詰められれば、大量殺人という過ちを犯す人がいたとして、不思議はないといまだに思っています」
「きちんとしているタイプではなかった」母
子の世話をせず、放置されたこともあった
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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