更新日:2024年01月11日 16:54
ニュース

「トラウマで吐いたりするほど病んでいた」19歳で家出した少女が「風俗は福祉」と語るワケ

障害を持っているけど手帳は恥ずかしい?

――障害を持ってるけれど、手帳を持つと恥ずかしい。だから、福祉を受けられるのはわかってるけど手帳はもらわない、っていうようなこと言うも子いるんだけど、紗希さんは?  「むしろ(手帳を)もらったほうがいいなって。割引とかいろいろ得なんで、って思いますね。最初は私も抵抗あったんですけど、いろんな方からの意見を聞くなかで、手帳とかすごい便利だよ、いろいろ割引になるよって教えてくれた人とかいて、指南もしてくれて。いまは、やっぱり手帳って便利だなって思いますね。精神科の通院が割引になったりとか、都営線とか都営バスがなんか無料になったりとか」 ――抵抗があったって言ったけど、どういう? 「自分が障害者だって認めたような。なんかなんか、障害者といって差別されるとか、冷たい態度を取られんじゃないのかなって。でも結局、その人はその人なんか、その程度の人間なんだと。なんか心の貧しい人なのかなと思って。でも持てば、その人の本性が分かるから逆にいいんじゃないのかなって思えるようになって」

風俗は「福祉なんだなって」

紗希

障害者手帳を見せてくれた紗希さん

――なら風俗や売春してみて、これまでの生活と比べてどう? 「レイプされたり、出会い系アプリで知り合った男の人の口車にのり投資詐欺にあってこれまで稼いだお金すべて取られちゃったこともあったけど、前よりずっと、ずっと幸せです」 ――紗希さんは障害がある。その生きづらさのなか風俗(売春)に救われたっていう思いがある。 「あります。親から離れるためのお金を稼がせてくれたのは風俗でしたし、病院に行って治療や福祉を受けることを教えてれたのも売春で知り合ったお客さんだったし。これまで相談する人がいなかったなか、風俗のお客さんは基本的にはみんな優しくて話を聞いてくれました」 ――障害者が風俗嬢になって、風俗に助けられたっていうのはどの部分? 一般職と比べて何がそんなにいいかなと思った? 「やっぱり自由出勤のところ。自分でシフト決められたりとか、当欠に関しても一般職よりも緩いんで、ちょっと体調不良とか許してくれたりとか、優しい方が多かったりとか。お客さんとかも1対1なんで、仕事とかもしやすかったりとか。なんか風俗って福祉なんだなって」
次のページ
風俗で「助けてもらえる子は天国」
1
2
3
4
月刊誌編集長、週刊誌記者などを経てフリーに。主に社会・風俗の犯罪事件を取材・執筆。著書に『売春島 「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ』、『黒い賠償 賠償総額9兆円の渦中で逮捕された男』(ともに彩図社)、『裏オプ JKビジネスを天国と呼ぶ“女子高生”12人の生告白』(大洋図書)など。X(旧ツイッター):@takagimizuho2

記事一覧へ
【取材協力募集】 本企画の取材協力者を募集しています。ライター高木瑞穂氏のSNSや投稿フォームにお問い合わせください。取材内容に応じて謝礼を支払います。
おすすめ記事
ハッシュタグ