更新日:2024年01月18日 10:48
ライフ

防災に見落としがちな「靴」。常備しておきたい5選

コスパ重視ならインソールもアリ

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モリト「is-fit 踏み抜き防止インソール」。1320円。写真は公式HPより

わざわざアウトドアシューズを買う投資はできないという方には、最低限これだけは備えておいてほしいのは、「踏み抜き防止インソール」です。ネットで1320円で購入できます。 このインソールは硬い金属の一枚板ではなく、ポリエステルの集合体なので軽く、しなりもあるので履いていても違和を感じません。それでいて地面に散らばった蛍光灯の破片や金属片、釘さえも跳ねのけるのでコスパは最高です。被災時、「足の裏のケガ」というのは致命傷になりえます。逃げるにも全力が出せず、避難できたとしても一番先に感染症に罹患するのは足の裏です。それを1000円前後で防止できると思えば安いもの。現場仕事の方に長年愛用されているモリトの製品なので、安価でも安心して使えます。

しまい込んでいるスニーカーは役に立たない

職場や家庭の備蓄セットにスニーカーを入れる人も多くなりました。筆者もかつて職場が革靴だったので、職場には1000円程度のスニーカーを置いていました。しかし、すぐに意味がないことに気づきました。しまいっぱなしだと、経年劣化して半年ほどでボロボロになるからです。それは、ポリウレタンによる加水分解だけではなく、接着剤の剥離から経年劣化していきます。
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丸五「ソールバリアモック#03」。4950円。写真は公式HPより

日常で履いていれば柔軟性も保たれ、ウレタン底であっても思った以上に水分を排出するので劣化は遅くなります。しかし、防災用としての靴を考えるのあれば、「普段から無理なく履ける靴」か「しまいっぱなしでも大丈夫な専用の防災シューズ」の2択になります。個人的な一推しは、地下足袋で有名な「丸五」の防災シューズです。 防災・備蓄に特化した「ソールバリアモック#03」は、靴下状のスリッポンですが、足首周りまできっちり覆うので、紐靴より脱げません。はじめから踏み抜き防止インソールが内蔵され、しかもコンパクトに折りたたんでも保管できます。 この靴は、震災だけではなく、水害の避難にも強いのは特筆すべき点です。水の中では、ゴム長靴での避難は命取りになりかねないということは周知されていますが、スニーカーでもいざという時は紐が絡まり、ゆるいまま履くのがクセであればあっというまに靴が流されてしまいます。だから無思考で履いても脱げないスリッポンである必要があるのです。
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一番ケガをするのは実は「室内」
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イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます『シューフィッター佐藤靖青(旧・こまつ)@毎日靴ブログ』

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