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“40歳で余命宣告を受けた”ラッパーが語る死生観「余命5年はリアルだった」

何事も“ゲーム感覚”で楽しむしかない

――自分の死に直面することで無気力になる人も当然少なくないはずですが、そうして一人で塞ぎ込んで思い悩むような期間はあまりなかったんでしょうか。 ダースレイダー:「どうせ死んだら全て終わるんだから無意味」みたいな考え方にはならなかったですね。何事もゲーム感覚で考えることにしちゃったほうが楽しい。病院に行くのも待ち時間長いし、何かと面倒くさいことが多いんですけど。採血の結果ひとつ聞くのも自分の中で毎回予想を立ててドキドキ感を楽しむようにしていますね。 ダースレイダー:多くの人が抱いている病気や病人に対する暗いネガティブなイメージを、僕は少しでも反転させていきたいと思っているんですよね。病人と接するときに気が重いなとか思われることもあると思うんですけど、なるべく「病人なのにめちゃくちゃ楽しそう」「病人のくせに活発だな」と思われるように、常日頃から意識しているんです。仕事の現場でも調子悪い時は「調子悪い」とすぐ言うようにしていますけど、わりとカジュアルに言うようにしています。

現在の体調は「やっぱり良くはない」

――余命宣告を受けてから2024年4月で丸7年とのことですが、体調のほうは大丈夫なのでしょうか? ダースレイダー:やっぱり良くはないんですよね。腎臓は良くはならないので、少しずつは悪化していて、人工透析のギリギリの手前のところでいま踏ん張っているところです。脳梗塞をやっていると透析になった後の死亡リスクが高いと言われているので。そういう意味では本当に日々ギリギリのところを墜落せずに、低空飛行で飛んでいるイメージです。 ただ、この間も同い年の友達が亡くなってしまったんですが、僕がそんなこと言っている間に亡くなっちゃう人もいる。だから、こればっかりは本当にわかんないところもあります。仲の良い友人には「お前みたいに死ぬ死ぬ騒いでるやつは、だいたい大丈夫なんだよ」って言われますから。その一例になるかもしれないです。 <取材・文・撮影/伊藤綾>
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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