なぜ「LDH」は国民から飽きられないのか。“伝説”が30年以上も続く理由
いつの日か、LDHとそのアーティストたちは、“伝説”になると思っている。いやすくなくとも、社長に復帰したHIROさんが「ZOO」メンバーとしてデビューした瞬間から、すでに神話的な状態はもう30年以上続いているわけで……。
これをどうにか言語化できないものかしら。と、思い続けてきたぼくは、この“夢” をLDHの申し子であり、まさにその嫡子、あるいは皇子的存在感の岩田剛典に仮託することにした。すると好機到来。EXILEと三代目J SOUL BROTHERS(以下、三代目JSB)のパフォーマーを兼務し、2021年にはソロデビューを果たした彼が、待望の2ndアルバム『ARTLESS』を“名盤”として世に放った(3月6日)。
同アルバムがその実、空前のLDH人気や三代目JSB、それと岩田さん個人の国民的な支持の理由を解き明かすと思うのだがどうだろう? イケメンとLDH研究をライフワークとする“イケメンサーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、『ARTLESS』Blu-ray特典映像収録で聞き手を担当したエピソードを踏まえながら、“岩田剛典神話”伝承に挑む。
ひとりのアーティストが、名盤を放つのは、だいたいどれくらいのタイミングだろう? 誰もが名盤を世に問うことができるわけではないし、しかもタイミングとはやっかいなものだけれど、そうだな、だいたい3枚目リリースまでには誕生する気がする。
早ければ、自らのアーティスト名を冠したセルフタイトルのデビューアルバムだろうし、例えばフィリー・ソウルの名手ビリー・ポールは、1972年リリースの3rdアルバム『360 degrees of billy paul』で、邦題『ビリー・ポールの世界』通り、彼独自のスウィートでメロウな世界観を知らしめた。
去年、名盤パトロール中のぼくは、2023年11月6日リリースの岩田剛典によるシングル「モノクロの世界」を聴いてすぐに確信した。翌年3月6日に後続リリースされる2ndアルバム「ARTLESS」が、2024年の名盤にして、MATE(三代目JSBファンの呼称)だけでなく、多くの音楽リスナーにとっての愛聴盤になるんじゃないかと。
名盤だから愛聴盤になるのか、それとも愛聴盤だから名盤なのか。ともあれ、名盤誕生は然るべきタイミングと音楽史のコンテクストからある日、ポコっと一枚だけ選別される、言わば、長期的な投機(挑戦)の試みかなと思う。
今やJr.EXILEやNEO EXILEなど、新世代グループを擁するLDHの中で、(『ARTLESS』リリース日に)35歳になった岩田さんはすでに中堅の域にある。デビューから14年目。彼が積み上げてきた“歴史の声”に耳を傾けてみる。
パフォーマーとして所属するのは、EXILEと三代目JSB。2010年11月10日に三代目JSBメンバーのひとりとしてデビューし、EXILEには2014年に加入した。ひとりのアーティストが複数グループに兼務所属することが珍しくないLDH史実の文脈からわかること……。LDH&岩田の即応的な関連性からかなり大胆だけれど、ぼくなりに肝煎りの岩田剛典試論となればいいんだけれど。
2024年の名盤にして、愛聴盤
LDH史実の文脈からわかること
コラムニスト・音楽企画プロデューサー。クラシック音楽を専門とするプロダクションでR&B部門を立ち上げ、企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆。最近では解説番組出演の他、ドラマの脚本を書いている。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu
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