薬物依存で虐待サバイバーの女性32歳が語る“薬なしでは生きられなかった”ワケ「依存的に使う人の背景にあるもの」
何をしてもいいと考える差別意識がある
「捕まったり、死にかけたからといって、薬物をスパッとやめられる人のほうがレアです。で、やめようと思っても、やめる準備や、一緒に頑張れる仲間との関係ができていない時期に再使用することは、回復過程ではよくあることなんです」と風間氏は話す。
「私はたまたま逮捕されずにここまで生きてこられました。逮捕されてしまえば、家を借りることや、就職することすら困難になります。その上に実名報道でデジタルタトゥーを残すことは、生きなおしの権利を奪うこと。それでどうやって、薬物をやめて生きていけと言うのでしょうか」
その背景には、「薬物使用者に対しては何をしてもいいと考える差別意識があるのではないか」と風間氏は指摘する。そして、「薬物を使わなくても幸せに生きられるような社会の役に立てるように」と現在は予防教育に尽力し、学校や福祉施設、医療機関などで講演活動を行っている。
カフェインもアルコールも処方薬も合法だが、依存性のある薬物だ。そう考えると、誰もが依存症と無関係ではない。「依存症患者は怖い」ではなく、その背景にあるものに目を向けるべきではないか。
<取材・文/田口ゆう>
【風間暁(かざま・あかつき)】
特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)社会対策部。ASK認定依存症予防教育アドバイザー。保護司。自らの経験をもとに、依存症と逆境的小児期体験の予防啓発と、依存症者や問題行動のある子ども・若者に対する差別と偏見を是正する講演や政策提言などを行なっている。2020年度「こころのバリアフリー賞」を個人受賞した。分担執筆に『「助けて」が言えない 子ども編』(松本俊彦編著、日本評論社、2023)など
ライター・原作者・あいである広場編集長。立教大学経済学部経営学科卒。「認知症」「介護虐待」「障害者支援」「マイノリティ問題」など、多くの人が見ないようにする社会課題を中心に取材する。文春オンライン・週刊プレイボーイ・LIFULL介護などで連載・寄稿中。『認知症が見る世界』(竹書房・2023年)原作者
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