更新日:2024年07月03日 17:43
仕事

「鰻の成瀬」社長が語る驚きの経営戦略「鰻に触ったこともないし、究極の美味しさも求めていない」

「人と同じ」が大嫌い。イタリアへ語学留学

エッジ_山本昌弘――旧来の経営者とは一線を画す、山本さんの率直な〝放言〟は、時に批判を呼ぶこともあります。こうした性向は生来のものなんですか? 山本:もともと人と同じことをするのが大嫌いで、高校卒業後、イタリアに留学しました。当時、英語って誰でも話せると勘違いしていて、英語圏に留学しても特別感ゼロだし、メリットがないと思ったんです。普通に日本の大学に進学すると、上下3歳くらいのコミュニティで生きていくことになる。  でも、イタリアにやってくる日本人は、30歳前後の人が多く、星付きレストランで修業してハクをつけたい料理人、本場で修業して音楽で食べていきたいオペラ歌手、ヨーロッパ建築を学ぶ建築家……プロフェッショナルな大人ばかり。でも、彼らは一回りも年下の僕を子供扱いせず、対等に接してくれた。 ――ところが、留学を終えて帰国後、普通に就職してます。 山本:特別性を身につけるために留学したのに、帰国してみると日本にはイタリア語を生かせる場が全然なかった(苦笑)。ただ、イタリアで知己を得た人たちとの交流は続いていました。彼らはプロなので、個人として仕事をするいわば一国一城の主。僕も早くそうなりたいと、独立志向がより強くなった。

将来の起業を胸に、FC業界を歩む

――将来の起業を胸に、英会話スクールのECC、ハウスクリーニングのおそうじ本舗と、一貫してFC業界を歩みます。 山本:ECCは、実は収益の柱はECCジュニア(子供向け英会話教室)。つまり、FCなんです。ここでFCビジネスに興味を持って、26歳で転職したおそうじ本舗では、FCビジネスの入り口から出口までのすべてを学んだ。当時20代後半でしたが、100以上の店舗を担当し、加盟店の解約率を1割以内に収めることができました。 ――給料もポジションも上がったんですよね。 山本:給料だけはバンバン上がったものの、自分には、社会適応能力があまりないので出世はできなかった(苦笑)。結果さえ出せばいいと思っていたんですが、日本の会社は結果より和を重んじる企業風土。中間管理職が評価してくれず、出世は叶わなかったんです。  ところが、会社が海外のファンドに身売りするや、一気に管理職に抜擢された。よしよし! このまま行くぞ、と思っていたら、今度は国内ファンドに会社が売られてしまい、また出世がピタッと止まった……。サラリーマンとして働くのに、日本は僕に合わなかったんです。
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飲食への愛はないが、FCへの愛はある?
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