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「餃子の王将」は年商930億円。2年間で4度の値上げも“ファンが離れない”決定的な理由

損益分岐点高めだが投資家からは評価

 上場企業だから資本効率(ROEが10%以上なら投資価値があると判断され、 5%以上なら合格点、15%以上なら優良企業といわれる)も重要指標として見られるだろうが、餃子の王将のROEは10.20%だから投資家にも一定の評価はされている。  このように収益状況や財務基盤が安定しているのに、頻繁に値上げを断行するのは、まだまだ先行きが不安定のため、今のうちに経営基盤と組織体質を強化しようとする表れか。餃子の王将も店舗数729店舗(2024年5月発表)、売上1000億円を超え、従業員も2254人(2023年3月末時点)と巨大な外食企業となった。  値上げは将来を見越して、成長する企業の社会的使命を全うするためで必要不可欠と判断したことであろう。株主、従業員、地域社会への責任などを重視する餃子の王将らしい。それが、どこまでお客さんに伝わり、安定成長を後押ししてくれるかは、収益の源泉である店舗次第であろう。ラーメン業界において、なくては困る餃子の王将をこれからも応援したい。 <TEXT/中村清志>
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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