カーライフ

アルファード、ランドクルーザー…相次ぐ「自動車盗難被害」の現状と対策は?トヨタの公式見解も

次々に生み出される”デジタル”な盗難手口

デジタル化する盗難手口

※画像はイメージです

「盗難手口のデジタル化」も自動車盗難件数の増加を促す大きな要因だ。  スマートキー(電子キー)から発する微弱な電波を特殊な機器を用いて数人で中継し、自動車のドアロックを解除する「リレーアタック」や、自動車制御システムをハッキングしてカギの解除やエンジンの始動を行う「CANインベーダー」などの盗難手口が多発している。  また、最近では「キーエミュレーター」(通称 ゲームボーイ)と呼ばれる車両盗難ツールが新たな手段として台頭してきた。車両から発するスマートキーの電波を利用し、わずか1~2分で「合鍵」を作成してしまう最悪の”優れもの”だ。 「数年前までは、CANインベーダーが主流でしたが、現行のランドクルーザー300やアルファード、ヴェルファイアなどはトヨタがセキュリティ対策を行ったため、CANインベーダーの手口で盗もうとすると警報音が鳴るようになりました。  そこで窃盗グループが開発したのがゲームボーイです。盗難被害に遭った方から事情を伺うと『全く警報音が鳴らずに盗まれた』という声が増えています」

盗難対策に必要不可欠なカーセキュリティの取り付け

 盗難対策は「自動車の購入後にカーセキュリティを取り付けること」が最も有効だ。カーセキュリティを専門とした事業を19年間行ってきた撹上さんは3000台以上の施工を手がけてきたが、盗難被害に遭った車は1台もないという。 「弊社では、デジタルの盗難手口に対して『アナログ』で対策します。一度エンジンを始動するための回路を切り、所有者のキー以外で解除されない回路で繋ぎ直すのです。もし、純正のロックが解錠されドアが開いてもサイレンが鳴りますし、エンジンが掛かることもありません」  数年前までは「セキュリティなんて付ける必要がない」という風潮が当たり前だったという撹上さん。しかし、盗難被害の増加に伴いドライバーの意識も変化してきている。 「弊社への相談件数は増加していて、電話を切ると、また鳴るような状態です。取り付け作業をお待ちいただいているお客様は300人を超えていて、施工の予約は約1年ほど先になってしまっています。セキュリティを専門とする業者はまだ少なく、供給が足りていません」  取り付け作業を待つ約300人のうち、約120人がランドクルーザー250のオーナーだという。それ以外も、ランドクルーザー300やアルファード、ヴェルファイアといった車種であり、ほとんどをトヨタ車が占めていることになる。
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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