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“日本一寒い町”の夏の気温は?北海道でいちばん涼しい場所を求めて旅してみた

“日本一寒い町”はまさかの気温32℃!

陸別町

道の駅オーロラタウン93りくべつ。日本一寒い町なのにこの日は32℃

 ところが、池田駅前から2時間近くバスに揺られ、街の中心地にある『道の駅オーロラタウン93りくべつ』に到着すると、そんな淡い期待はあっさり裏切られる。建物前にある温度計は10時42分の段階で32℃を表示していたからだ。  陸別町の場合、冬場の最低気温がマイナス20℃以下を記録するのは当たり前で、過去最低は非公式ながら78年2月に観測したマイナス38℃。寒暖差が70℃になることに驚きだが、日本一寒いのはあくまで冬場。内陸で標高が高いわけでもないので夏場は暑く、避暑地にはならないようだ。  この日は再び帯広で泊まり、翌日は午後から仕事があったので札幌に一度戻ることに。途中にはスキーリゾートのトマムがあり、最寄りのトマム駅は標高537.13mの北海道最高所の駅。下車はしていないがたまたま筆者のiphoneに入れていた温度計アプリを見たところ、同駅停車中のトマムのある占冠村の気温は27℃(9時46分時点)。池田町とは約70㎞離れているが標高がある分、少し気温が低いようだ。

最北端の街、稚内はやっぱり涼しかった!

稚内

稚内駅。温度計の隣には線路の車止めがあり、記念撮影スポットになっている

 そして、翌日は札幌駅7時30分発の特急『宗谷』で日本最北端の街、稚内へ。駅前に設置されたカントリーサインと一体型の温度計は27℃(12時44分時点)。日本最北端だからか真夏でもそこまで気温は上がらず、駅のすぐ近くが港なので海風が吹いて心地よい。  折り返しの旭川行きの特急『サロベツ』に乗車したため、わずか17分の短い滞在だったことが悔やまれる。この日は夕方、旭川に到着してそのまま駅近くのホテルに宿泊。翌日、駅前で温度チェックをすると27℃(9時49分時点)。旭川は盆地のため、緯度の割には夏場も暑い。それでもこの日はまだ時間が早かったこともあり、まだそれほど気温が上昇していなかったようだ。
旭川

旭川駅。盆地なので夏場は30℃以上の真夏日になることも

もっとも涼しかったのは4か所

 結果、訪れた場所で日中の気温がもっとも低かったのは、根室、トマム、稚内、旭川の27℃。天候や時間帯などさまざまな要因に影響されやすく、各地の観測所と温度計の誤差もあるだろう。絶対涼しいと言うつもりはないが、ひとつの目安にはなったはずだ。  なお、余談だが今回訪れた場所以外で平均気温が低いのは、層雲峡や旭岳温泉、白金温泉、十勝川温泉など大雪山系の標高の高い場所にある温泉地。また、インバンド客で賑わうニセコもホテルやペンション、別荘が並ぶエリアは標高があるので過ごしやすい。  さすがに今年のお盆休みには間に合わないかもしれないが、今後の旅行を立てるうえでの参考にしていただければ幸いだ。 <TEXT/高島昌俊>
フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。
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