ちょっとだけ飲んでから帰りたいけど、わざわざ居酒屋に行くほどではない――。そんなときに重宝するのが「ちょい飲み」のお店だ。吉野家の「吉呑み」を筆頭に、最近ではファミレスやファストフード、大衆中華チェーンなどでもちょい飲みセットを提供するところが広がっている。

パリッコのチェーン店ひとり酒(イラスト/パリッコ)
日常的に酒場へ通い、酒にまつわる連載や本を多数執筆している
酒場ライター・パリッコさん(
@paricco)。普段は地元に密着していて、単独ではちょっと入りづらいような個人店を取り上げている彼に、ベタなチェーン店で飲んでもらう連載「パリッコのチェーン店ひとり酒」。
第3回に取り上げるのは、国内外に1500店舗以上を展開し、驚くべき安さとサービスの質の高さで知られる・庶民の味方「
サイゼリヤ」。果たしてパリッコさんはどう立ち振る舞うのでしょうか?
なにはともあれ「柔らか青豆の温サラダ」
最近、周囲の酒飲みから頻繁に聞くようになった噂がある。それは「
サイゼリヤの『ミックスグリル』なる新メニューが、酒のつまみとして優秀すぎる」というもの。 リーズナブルで美味しいカジュアルイタリアンチェーン「サイゼリヤ」。食事はもちろん、飲み屋としてのポテンシャルもすさまじいことは、もはや誰もが知るところだろう。そんなサイゼリヤにおいて、さらに話題になるってどんだけすごいんだ!? これは確かめに行くしかない。

「サイゼリヤ」
というわけで、おなじみのサイゼリヤにやってきた。
ちなみに、サイゼリヤにおける僕の不動のマストメニューといえば、
「柔らか青豆の温サラダ」(税込200円)をおいて他にない。グリーンピースのなかでも青くささやクセの少ない「ベビーピー」という品種を使った、温かいサラダだ。

「柔らか青豆の温サラダ」
現在は青豆、温玉、粉チーズという構成だが、かつては粉チーズがなくて、細切りベーコンが入っていた。そこから一度、ベーコンが抜けてペコリーノチーズが加わり、「柔らか青豆とペコリーノチーズの温サラダ」にリニューアルされた後、ふたたび柔らか青豆の温サラダとして帰ってきたのが現在。
わかりやすく言えば、
青豆+温玉+ベーコン−ベーコン+ペコリーノチーズ−ペコリーノチーズ+粉チーズ=現在
というわけだ。自分で書いておいてなんだけど、よけいわかりにくくなってる気もするが。
とにかく、紆余曲折はあったものの、原材料の高騰問題などもあるなかで、主役である青豆を残しつつ、値上げもせずに提供し続けてくれている。そのことがとにかくありがたい一品。

きたきた!
この青豆が、ぷちぷちっとしてまろやかで甘みが強く、そこにほどよい塩気が効いていて、やっぱり何度食べてもうまい。
ではこいつをつまみに、さっそくビールから始めよう。メニューにはジョッキとグラスがあるが、ビールとはひと口目が最高にうまい飲みものなので、ここは
「グラスビール」(300円)を選ぶ。サイゼリヤのグラスワインは1杯100円。ジョッキビール1杯も、グラスビールとグラスワイン1杯ずつの合計も、どちらも400円。ならば後者を選ぶほうが、酒飲みとしての満足度が高い(ケチくさくてすみません)。

最高だ!