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焼肉店の倒産が急増する中、「牛角」「焼肉きんぐ」大手チェーンが客単価の低い“ランチ営業”を続けるワケ

ランチ営業するメリットとデメリット

 町の個人焼肉店で、住居兼店舗など自分の不動産なら、賃料の負担は必要ないが、通常は賃料が必要だ。賃料などの固定費は10〜20%に抑制しなければ採算が合わないのが、飲食店の費用構造である。  駅前など人通りが多い一等立地なら坪当たりの賃料は高いが、売上規模も大きい。一方で、人通りの少ない二等立地なら坪当たりの賃料は低く出店はしやすいが、集客が難しく売上はあまり上がらないから経営は難しい。  その賃料の支払いのため、ランチを営業して売上を稼ぐ店も多いのが実情だ。昼夜の価格差が大きいと、お客が昼しか来ない事態も焼肉に限らず考えられる。安く焼肉を食べられるのならランチで十分で、わざわざ高いお金を払って、夜に来なくてもという発想だ。  ランチだけでは店も困るが、それでも店全体の雰囲気を理解してもらえば、ディナーに繋がることはある。焼肉など高額料理はハレの場で利用されることが多い。したがって、頻繁の利用は無理でも、祝い事などに利用してもらえるはずだと思うしかない。

コロナ収束してもランチ営業を継続

牛角

全世界825店舗を展開する牛角(筆者撮影)

 コロナ禍は、ディナーのみの営業店も外出制限など特殊事情により、仕方なくランチの営業をしていた。そして、テイクアウトやデリバリーにも対応して現金売上を求めて、運転資金の確保したものだった。  コロナが収束しても、再感染拡大に備え、そのままランチ営業している店も多くある。特に個人焼肉店にしては死活問題だったため、店頭で焼肉弁当を販売し、店内もランチメニューを拡充して集客に必死だった。  ディナーとは違い薄利多売だが、店の生き残りのために始めた店も散見された。また、2年以上の自粛営業から蓄積したランチ営業の販売ノウハウを活かすと共に、今後また発生するかもしれない感染症リスク対策として、今なおランチ営業を継続させている店も多い。
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焼肉大型店チェーンもランチ営業
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飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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