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焼肉店の倒産が急増する中、「牛角」「焼肉きんぐ」大手チェーンが客単価の低い“ランチ営業”を続けるワケ

焼肉大型店チェーンもランチ営業

 昼から焼肉は高いし重たいし、匂いが気になるという人も多い。だが、大型焼肉チェーン店などもランチ営業に取り組んでおり、けっこう盛況な店もある。「牛角」や「焼肉きんぐ」もランチ営業をし、低価格帯の食べ放題(税込2178円)も実施している。  その他、ゼンショーグループの「焼肉いちばん」、すかいらーくグループの「じゅうじゅうカルビ」もランチ営業をしており、食べ放題だけでなく、低価格の定食メニューも充実させて集客している。さらに大概のチェーン店はセントラルキッチンを有しており、店舗における仕込みの割合は低いが、社員のシフト管理のために、ランチ営業が必要になっている店もある。  社員は1日8時間労働としてディナー時間だけでは労働時間の管理が難しい。深夜営業する店の割合が低い中では仕方ない。店は1日の時間帯ごとの作業内容が決まっており、固定作業と変動作業を分けながら、それを分業し各自に割り当てている。  給料を多く欲しい非正規の場合、相当の時間を確保してあげなければならないが、ディナーだけでは限度がある。そのため、ランチ営業までして、働く機会を確保してあげ、定着率を高める狙いもある。

それでもランチで赤字は回避しなければ!

焼肉きんぐ

売上は770億円の「焼肉きんぐ」(筆者撮影)

 ランチは広告宣伝費と言いながらも赤字は極力避けなければ全体の足を引っ張ることになる。ランチタイムは需要の一気集中が特徴で、お客さんは限られた時間内で食事を済ませようとする。  だから店は、戦闘状態に入りパニックになることも多い。それに対応するのは徹底した事前準備と捌くための最低限の人員が必要だ。今は最低賃金を、かろうじてクリアする程度の上乗せでは3K(キツイ、キタナイ、給料が安い)の飲食店に人は来ない。  しかも4時間程度の時間保証をしてあげないと続かない。ファミレス型の大型焼肉店を想定してシミュレーションすると、1人アルバイトを雇用しての日給は時給1,100円として4,400円となり、アルバイトの人件費率を20%に設定すると最低でも2万2,000円の売上が必要だ。
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生産性が低下するリスクも
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飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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