更新日:2024年08月22日 18:39
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“己の包茎手術を行った”東大理三医師のクレイジーすぎる人生「自分が一番上手いので」

合格に要する偏差値はなんと72.5(河合塾調べ)。国内最難関といえるのが東京大学の理科三類(医学部)だ。まさに“鉄強”しか入れない狭き門だが、ここを卒業したのち、外科医の道に進み、そこからさらに日本初の“下半身美容”に特化したクリニックを開院した猛者がいる。ヴェアリークリニックの井上裕章院長だ。
井上院長

「人の秘めた悩みを解消したい」と。下半身整形に特化したクリニックを2022年に開院した井上院長

中学受験では「御三家」の一角、麻布中学校でトップの成績を誇り、東大へ進学。そうして掴んだ、花形とも言える外科医のポジションをかなぐり捨て、なぜ荒野の道を歩くのかーー。そこには、とあるクレイジーな理由があった。

東大医から外科医へ。転機となった“ある女性患者”との出会い

実父をはじめ親族に医師が多かったことから「気づけば医師になるものだと思っていた」という井上院長。外科医になったのは「病院の中でも格好良かったから」だという。 研修医になってからは、外科専門医の資格を最短の3年間で取得。東京大学医学部附属病院で、生殖器官や大腸肛門を含む骨盤臓器などの疾患を中心に診療してきた。 「当時はガンを治すことが医者の究極形態だと思っていました。だからこそ手技を向上させる努力を行い、通常なら10年以上の経験を積まなければ執刀はできないとされる『骨盤内臓全摘手術』(骨盤内に広がるガンを切除する難解な手術)も6年目で執刀を任されるほどになりました。独立や開院などは、考えてもいませんでしたね」
東大

膣の緩みが悩みの女性者にヒアルロン酸を注入する井上院長

だがその考えは、直腸がんを患った40代後半の女性患者に担当医として治療にあたったことをきっかけにガラリと変わった。女性は内視鏡検査でガンが見つかり、井上院長が当時務めていた病院に紹介状と共に受診。すぐに手術すれば治る状況だったたため、手術を勧めたが、女性は手術を断固として拒否したという。 「担当医師は患者さんとの信頼関係を築くことも大事な仕事のひとつ。その患者さんと時間をかけて話すうちに、手術を拒否する理由が“手術時に性器を見られたくない”からだと判明しました。命より優先されるほどの悩みが性器にあることに驚きつつも、なんとかして手術を受けてもらうべく、そこで初めて“女性器形成”という医療分野があると知りました。結局、その患者さんには女性器形成クリニックを紹介。そこで女性器形成術を受けてから、ガン切除のための手術を行うことになりました」 手術は無事に成功し、女性患者のガンは完治。しかし、そのときに感じた性器のコンプレックスの深刻性やそれを抱える女性の多さ、その医療分野への興味は消えなかった。同時に、「ガンの治療をする医者は多くいるが、下半身の悩みを総合的に解決できるのは自分だけなんじゃないか」という思いが芽生えたという。 「僕、実は本も漫画もほとんど読まないんですけど、生きていく上で大きな影響を受けた漫画が福本伸行先生の『銀と金』なんです。その中でも、特に好きなのが『夢を見ろ…!それを見なくなったら死人だ』ってシーン。生きるということは、夢を見ることだと思っています。その当時、僕の中で外科医としての天井が見えてしまっていたし、まさに夢が見られない状態だった。下半身の総合的な悩みを解決するクリニックの開院は、医者になって初めて思い描いた夢だったんです」

美容外科医へと転身。六本木に「下半身美容」の専門クリニックを開業

その夢の実現のため、外科医と並行して美容クリニックで勤務医として経験を積み、その後渡韓。女性器形成分野の第一人者のもとで、技術の研鑽に励んだ。さらには己に局部麻酔し自身の包茎手術をも施したという。 「僕は女性や男性のどちらか一方に偏った治療にせず、男女ともに幸せになるための治療をしたかった。正直、女性の悩みは実感としてわからないものの、男性の悩みには共感できる。多くの美容外科医が自分を実験台にしてあれこれ施すように、自らの手技を高めるために自分の仮性包茎の切開術を行いました。国内にも包茎手術を行っている医院は数多くありますが、いわゆる”バイト医”が片手間に行っている場合も多い。そういう事情も熟知していたからこそ、性器の形成手術を専門的に学んだ自分が一番上手いことをわかっていたし、だからこそ他人任せにできなかったというのもあります」
東大

膣内に注入するヒアルロン酸は顔にも注入できる上質なものを使用しているという

勤務医としての日々や開業に向けた準備期間はおよそ2年に及び、2022年に港区六本木に「ヴェアリークリニック」を開院。六本木という地を選んだのは「いくつか候補がある中でこのクリニックが一番アクセス、立地、規模含めて良かったから」だという。 「女性患者に最も人気のメニューは、膣内にヒアルロン酸を注入する“名器形成”です。患者の年齢層は20代から80代まで様々ですが、最も多い年齢層は30、40代。婚歴に関わらず“久々に彼氏ができた”とベッドインしたものの“痛くてできなかった”や“相手の反応がイマイチだった”などが理由で来院するケースが多いです。“名器形成”の中でも人気なのが『俵締め』。膣内に何箇所か注射しヒダを形成し、締め付けるようなつくりにする。価格はヒアルロン酸の量によって変わり、20万~80万円くらいです」

YouTuberとのコラボで認知度急上昇。将来は海外も視野に

東大

登録者数2万人以上のYouTubeチャンネルでは様々なインフルエンサーとコラボしている

井上院長はYouTubeチャンネルも開設しており、セクシー女優や有名インフルエンサーとのコラボレーションも積極的に参加している。特に“大物マダムタレント”こと整形インフルエンサー、アレン様とのコラボ動画は23万回再生数にものぼり、大きく注目を集めた。 動画内ではアレン様から局部を見せるよう迫られる衝撃的なシーンもあるが、このような動画に出演することについてはどう考えているのだろうか。 「これらのプロモーションは、本当に悩んでいる方にクリニックを知ってもらいたい一心で行っています。実際、セクシー女優の三上悠亜さんとのコラボ後は『悠亜ちゃんの動画を見てきました』という患者さんもいましたし、アレン様とのコラボは当院の認知をかなり広げていただきました。またXで、元ZOZOTOWNの前澤さんのようにお金配りをした時は売名や品がないとも言われましたが、どの活動にも明確な理由があります」 こういった派手なプロモーション活動について、外科医時代の交友関係や家族はどう受け止めているのだろうか。すると、意外な言葉が返ってきた。 「外科医を辞める時は誰からも止められなかったし、両親には外科医を辞め開院してからの報告でした。僕の両親や外科医の兄、外科医時代の知人などがYouTubeやXを見てるかどうはわかりませんが、内心“血迷ったか!”と思ってる人もいるかもしれません(笑) 現在クリニックには韓国や中国、欧米の女性からも問い合わせが殺到。昨年11月には中国・河北省の富裕層向け美容サロン兼クリニックから招待され、女性器形成のセミナーや希望者への施術を行なったという。 「今後は自分の技術を海外にも広めていくことも視野に入れています。もちろん国内においても、ここ六本木から事業を拡大していきたいです」 外科医としての一生安泰の道を外れ、自ら未踏の地で道を切り開いた井上院長。今後もその開拓は続くことだろう。 【続きを読む】⇒麻布→東大理三の超エリート医師。「地方の公立小」から成りあがった超勉強術 <取材・文/MySPA!特別取材班>
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