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数十万円払ったのに“拭き掃除だけ”で終了。「悪徳すぎる」特殊清掃業者の姑息なやり口とは

一度も特殊清掃をしたことないのに…

特殊清掃の現場② 悪徳業者に引っかかった場合消費者センターに相談するという手もあるが、臭いが取れないと近隣住民に迷惑がかかるため、すぐに作業を手配しなければならず泣き寝入りすることが多いという。 「悪徳業者はすぐに対処しなきゃいけないというところに付け込んで高額請求をしてきます。なので、見積もりの段階で『これ以上の請求をされることはないですか?』と業者に聞くことが大事です。床をはがしてみないと費用がいくらかかるかわからない場合もあるのですが、『多くても追加で何万円くらいまでです』と伝えてくれるのは良い業者ですね」  中には特殊清掃が儲かるといって、最低限の機材だけ揃えて特殊清掃のプロだと広告をだす業者もいるそうだ。 「一度も特殊清掃をしたことない業者が現場に入ることがあるらしいのですが、拭き掃除だけで作業を終了したという話を聞いたことがあります。本人たちは知識がないのでそれしかできないのです」

悪徳業者の見分け方は?

 悪徳業者の見分け方としては次のような方法がある。 「まず、自社のホームページがなく、広告のランディングページだけ持ってるパターンです。会社名は載っているけど住所や電話番号が書いてない業者も要注意です。スタッフの顔が載っていない業者も要注意です。  他には当日対応可能と書いてある業者も危険したほうがいいでしょう。そういう企業は電話しても『2週間後になります』と、やたら先延ばしされる場合が多いです。とにかくどんどん仕事を詰め込んでいくやり方ですね。最初の問い合わせさえできてしまえば営業スキルで仕事を取ってこれると思っているのでしょう」  悪徳業者を減らすにはどうしたら良いのだろうか。鈴木さんは「法整備ができていないと言うのも問題だと思う」と率直な胸の内を語る。 「アメリカの特殊清掃業者は、一定の規格をクリアした防護服を着用したり、感染症対策も厳しく見られたりする法律があります。一方、日本にそういった法律がありません。  うちの会社はC型肝炎と破傷風のワクチンを打って半年後に抗体ができるまで現場に入れませんが、悪徳業者の場合はそのような対策もしていないこともあります。日本も法律できちんとワクチン接種を義務付ければ、参入障壁が高くなり悪徳業者も減るはずです。国には特殊清掃業者という存在をきちんと考えてほしいですね」 <取材・文/山崎尚哉>
(公社)日本ペストコントロール協会認証技能師。1992年、東京都大田区生まれ。地元の進学校を卒業後、様々な業種を経験し、孤独死・災害現場復旧のリーディングカンパニーである「ブルークリーン」の創業に参画。これまで官公庁から五つ星ホテルまで、さまざまな取引先から依頼を受け、現場作業を実施した経験を基に、YouTubeチャンネル「BLUE CLEAN【公式】」にて特殊清掃現場のリアルを配信中!趣味はプロレス観戦
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