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「文化遺産」として見直される昭和の都電。「アニメの聖地」や「渋沢ゆかりの地」などに残る都電の今を追う

豊島区立南大塚公園/6162号(大塚駅前)

 JR大塚駅・都電大塚駅前電停(もしくは東京メトロ新大塚駅)から歩いて数分の場所にある南大塚公園。ここに保存されている車両もやはり6000形で、1949年に製造され、荒川車庫などを経て1971年に禁止堀車庫(現在は丸井錦糸町店)で廃車となった6162号だ。  この6162号は、アニメ・ゲームなどで展開されるメディアミックス作品「BanG Dream!」(バンドリ!)に登場したことで、作品の「聖地」としても話題となっている。  アニメのなかでは比較的綺麗な状態で車内に入ることもできた6162号だが、現在は「都電ものしり博物館」という看板が付けられているものの金網に覆われており、永年閉鎖状態に。車外についてもライトや方向幕が埋められるなど部品の脱落が目立つ状態だ。
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6162号。金網に覆われており、その様子を伺うことも難しい状態。方向幕や一部ライトなども埋められている(写真:若杉優貴)

 2020年に一部修復された6080号に続いて、昨年(2023年)にはこの6162号にも大きな変化が起きた。アニメ・ゲームの舞台として注目を浴びたこともあってか、数十年ぶりに車内に入れるようになったのだ。  車内は吊り革や灯具、ベルなどが撤去され、シートが木製のベンチに変えられているものの、永年立ち入り禁止となっていたこともあり比較的綺麗な状態。車内に入って、「BanG Dream!」のアニメ2期7話で描かれた「回想シーン」を再現することも可能だ。  6162号の車内に入れるのは、毎週水曜日の9時から17時まで。なお、車内には照明がないこともあってか、話を伺った関係者によると日が短い11月~3月は公開時間が9時から16時までに短縮される予定で「時間に注意して来て欲しい」とのこと。
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アニメの聖地となったこともあってか、数十年ぶりに公開された6162号の車内。シートと吊り革、灯具類、ベルは撤去されているものの、比較的多くの部品が残されている。車内で「バンドリ!」のあの場面を再現してみては…(写真:若杉優貴)

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都電6162号の運転台。案内板によると廃車となったのは今から53年も前の1971年のこと。意外にも(?)多くの部品が残っていた(写真:若杉優貴)

「文化遺産」として見直されつつある昭和の都電

 6162号の車内公開が再開された2023年には、文京区の不忍通り沿い(本駒込)にある「文京区立神明都電車庫跡公園」でも都電6063号と電動貨車乙2号の大規模修復が行われ、車内公開が再開された。  両車両ともに木造部分が抜け落ちるなど、老朽化による自然損傷が目立つ車両であったが、修復後は現役さながらの姿となっており、都電が「地域の歴史を伝える文化財」として復元されたことは都電ファン・昭和レトロファンのあいだで話題となった。  都電の都心撤退から約半世紀。消えてしまった保存車両も多いものの、近年修復・再整備や、再び公開されるようになった車両が増えてきたことは「高度成長期の遺産」が文化財として見直されるようになった証左でもあろう。飛鳥山公園や南大塚公園の都電も、今後本格的に再整備される日が来れば良いのであるが……。
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昭和の都電が保存されている公園は他にも
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都市商業研究所』。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitter:@toshouken

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