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「消えろ!失せろ!」父の虐待と“吃音によるいじめ”に悩んだ青年が伝えたいこと

いじめられる中で抜毛症を発症

匂宮 いずも

髪を抜けないように坊主頭にしている。抜いた場所は部分的にハゲている

 いずも氏はいじめの影響から8歳(小2)のときに抜毛症に悩むようになる。抜毛症は、毛髪やまつ毛などを抜きたいという衝動が抑えられず、目立つほどに抜いてしまう疾患のことだ。病院に行ったものの、原因は不明だった。だが、毛を抜いている間は無心になれ、痛みはあるけれど気持ちは和らいだ。 「その頃は家庭内で父との関係に軋轢があったのかもしれません。病院に付き添ったのが父だったので、医師は原因を言わなかったのかもしれない」  いずも氏が中学生になった頃から、父の日常的な虐待が始まったのだ。 「最初は、成績不良だと叱責される程度でした。だんだんと父の思い通りにできないようになると私の行動を制限するようになりました。今でも行動を制限されることにトラウマがあります」

「何を言ってるのか分かんねえよ!」と笑われ

 いじめは中学校3年間続いたが、同時期に父親から学校の成績が悪いと、殴られたり、蹴られたりするのが日常となった。いずも氏は親のお金を盗んでコンビニに行くなど、だんだんとグレるようになった。そして、中学校3年生の時、吃音だと本格的に自覚するようになる。 「塾の先生に学習態度が悪いと、怒られることが多かったです。後から、LD(学習障害)があることが分かりました。ある日、先生から構音障害があることから『何を言ってるのか分かんねえよ!』と笑われたのがきっかけで、吃音が出はじめました。  のどの辺りで呼吸が止まって、呼吸ができなくなりました。どもる上に呼吸もできなくなり、びっくりしました。今、考えると、パニックに近かったのかもしれません」
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誰にも吃音を相談できずに大学中退
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立教大学卒経済学部経営学科卒。「あいである広場」の編集長兼ライターとして、主に介護・障害福祉・医療・少数民族など、社会的マイノリティの当事者・支援者の取材記事を執筆。現在、介護・福祉メディアで連載や集英社オンラインに寄稿している。X(旧ツイッター):@Thepowerofdive1

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