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タイに渡って大麻農家になった男の挑戦。「堂々と大麻を栽培して吸うのが夢だった」

隠れ家的なバーで音と大麻に酔う……

[海を渡った大麻農家]の挑戦

隣のビルの人気居酒屋「なぎ虎」店主も顔を出し、doscoiさんと談笑するお店は、BTSプロンポン駅から徒歩15分。月曜日定休。インスタグラム@ccc_bkk22

 バンコクの中でも賑やかなエリアとして知られるスクンビット。その喧騒とほどよい距離感を保つ場所に、そのバーはあった。doscoiさんが育てた大麻を買える「Cannabis Culture Club」だ。  100㎡ほどの広々とした店内はソファが贅沢に置かれ、くつろげる仕様。良質なスピーカーからは叙情的な音楽が耳に流れ込んでくる。 「音、お酒、ウィード(大麻)。それぞれ飛び切りのものを提供するのがコンセプトのバーで、僕のファームの商品を置かせてもらってます。金曜の夜にはカウンターに立ち、接客することもある。とても大切なひとときです」(doscoiさん)

欧米では嗜好目的でも合法が主流

 タイのような大麻解禁は、世界的な潮流になっている。大麻関連で多くの書籍を著しているジャーナリスト・矢部武さんが解説する。 「現在、娯楽用大麻が合法となっているのはカナダなど6、7か国。アメリカでは半数近い24州で認められていて、大麻の消費額がアルコールを抜いたというデータもあります。また、大麻の所持・使用について、基本的に刑罰を問わない非犯罪化はEUの大半の国で進み、世界で30か国以上です。  医療大麻を認めている国はもっと多く、がん患者などの慢性的な痛みを抱える方への鎮痛剤として処方され、売り上げが伸びています」  合法化の波はビジネス面で大きなうねりとなり、グリーンラッシュとも称される。  インドの調査会社のデータによれば、’22年の世界の大麻市場の売上高は、437.2億ドル(約6兆5580億円)。これが、’30年には約10倍の4443.4億ドル(約66兆6510億円)に達すると試算されている。
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グリーンラッシュが日本にも迫る!
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