週刊SPA!主催の新人発掘オーディションを勝ち抜いた「ミスSPA!2024」たちによる、連載「ベストサウナ」。第47回は『サウナ横綱』をレポートする。 ●今回のサウナー・ミスSPA!2024 グランプリ【初登場！】堀りまちゃん ’03年、東京都生まれ。T158。アイドルグループ「柑橘クーベルチュール」の赤担当。公式X：@horirima_ml 　’24年11月23日、江戸の風情を色濃く残す“小江戸”こと埼玉県川越市に「サウナ横綱」がオープンした。名前の通り、相撲をコンセプトにした稽古場風サウナ施設で、店主の竹内太一さん（追手風部屋の元力士・大翔龍）が、自身のサウナへの深い愛情と経験を込めて造り上げた、至極の空間になっている。 　サウナ室は、日光東照宮に使われる日光杉や、伊勢神宮に使われる木曽檜といった日本の名木がふんだんに使用された、さながらパワースポットのような静謐（せいひつ）さ。真新しい木の香りが漂う空間には、鉄砲柱や大型鏡が設置されており、稽古場の雰囲気のなかで、じっくりと自分と向き合うことができる。 ●Point：鏡の前での四股踏み＆てっぽうで滝汗！ 「サウナ横綱」は、相撲をモチーフにしたコンセプチュアルなサウナではあるが、決してイロモノ的ではなく、入り口扉の下部に隙間を設けて常に新鮮な外気を取り込む工夫で、息苦しさのない質の高いサウナを実現している。セルフロウリュや、元力士による力強いアウフグースの際には強烈な熱波が充満し、相当な熱さである。 　水風呂も、力士が4人同時に利用できるビッグサイズ。全身を浸すことができるので、15・5℃の設定水温よりも体感は冷たい。川越の水道水を使用しているが、軟らかく肌触りのよい水質で、心地よい。ととのいスペースも広々設計で、レモン水、ポカリスエット、そばの実から水出ししたそば茶が無料で提供されているのも、素晴らしい。 　さらに、もう一つの大きな魅力が食事メニューだ。名物の特製ちゃんこや、日本一の巨大つくね、国産そば粉を使った十割そば、創作天ぷらなど、本格的な日本食を存分に楽しめる。もちろんサウナだけ、飲食だけの利用もOKだ。 「サウナ横綱」はユニークなサウナ体験を提供しているが、決してブームに便乗しただけの施設ではなく、本気で日々の疲れやストレスを癒やし、健康促進を目的に造られている。訪れる人々に「明日への活力」を提供するための価格設定も魅力的で、オープン価格ではあるが60分900円（フェイスタオル2枚付き）というリーズナブルさには驚かされた。川越に限らず、今後はサウナの少ない地域への展開を視野に入れて、さらに多くの人々にサウナの魅力を届けたいと話す竹内さんが、サウナ界の横綱になる日は、そう遠くないかもしれない。
＜取材・文／森野広明　撮影／近藤孝一＞