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外国人観光客にも大人気「新宿東口の猫」の“稼ぎは億単位”だった…そのワケを担当者に聞く

「新宿東口の猫」の気になる“稼ぎ”はいくら……?

新宿東口の猫

「新宿東口の猫」の物販サイトより

その一方で、猫自体のプロモーションは全くかけていないというが、インバウンド観光客を中心に人気があり、「新宿東口の猫」のオフィシャルグッズはこれまでに450万円ほどの物販売り上げを記録しているそうだ。 「特に人気なのがTシャツで、猫好きの方や新宿に来たお土産に購入いただくお客様が多いですね。一時期は猫カフェを運営していたこともあり、そこで物販をしていましたが、現在はオンラインで販売していて『全国どこにいても、新宿の猫さまに会える!』というコンセプトでグッズ販売を行っています」 実際のところ、「新宿東口の猫」の“稼ぎ”はどのくらいなのだろうか……。 武石さんに聞いてみると、波及効果も含めて意外にも大きな金額が答えとして返ってきた。 「広告塔という観点で言うと、初回の動画がバズってから1ヶ月間の広告換算費は5億3000万円にのぼました。幸先の良い初動を切れたことで、屋外3D広告の可能性を示すことができ、さらには『新宿東口の猫』も新宿の新たなランドママークとして知名度が向上したのは大きな成果だと感じています」

アルタビジョンなき後の新宿を盛り上げたい

今後は2つの展開を考えているという。まず1つ目はマーチャンダイズ(MD)の強化だ。 「新宿東口の猫」をライセンス化し、OEMメーカーと商品企画や販路拡大を行うことで、物販収益の拡大を図っていくという。 2つ目は新宿の再開発を見据えた屋外ビジョンの拡張である。 2025年2月末で新宿アルタは約45年の歴史に幕を下ろすことが決まっており、それに伴いアルタビジョンも営業終了となる。
クロス新宿ビル2

2026年竣工予定の「クロス新宿ビル2」外観予定図(正面)

日本初の大型ビジョンが消えてしまうことで、新宿の活気が失われるのでは……。そうした懸念から、新宿クロスビルの真向かいに「クロス新宿ビル2(仮称)」を建てるプロジェクトを進めているという。 「新宿クロスビジョンは横長のビジョンでしたが、新しいビルには縦長のビジョンを設置する予定です。2026年〜 2027年までの着工を目指していて、2つのビジョンを連動させた屋外3D広告や猫の映像など、新しい試みにチャレンジしていきたいと考えています」 猫中長期的な再開発プロジェクトが進む新宿。 新宿クロスビジョン前の「新宿通り」は、長期的な計画の中で、いずれ道路が広場になることが予定されているという。 「将来的にはNYのタイムズスクエアのような景観を作りたい」 そのように武石さんが将来の展望を語っていたのが印象的だった。新宿を訪れる機会があれば、“ビルに棲む猫”に会いに行ってみるといいかもしれない。 <取材・文・撮影(インタビュー)/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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