更新日:2025年03月28日 11:21
ライフ

「3万軒のスーパー」に行った東大卒の女性が、スーパーにハマったまさかの理由。今ではその道の第一人者に

東大院に進学するものの、研究者の道に進まなかったのは…

――学部卒後は大学院にも進まれるんですよね。 スギ:学部時代は食品工学、微生物発酵、醸造学など、食にまつわる勉強をしながら、遺伝子組み換え食品を軸に研究を進めていました。農学部での研究の対象は動物や植物になります。ただ、私はもっと「どうしたら健康で幸せになれるか」と人体に対する興味があって、大学院では人の体の仕組みや栄養学など医学系の勉強をするようになりました。 同時に、香りと嗅覚の研究も進めていたのですが、研究者になって東大教授を目指すというよりは、これだけ勉強して研究したことを社会に生かした方が自分らしくいられると思いました。ファッションが好きだったこともあり、人生の大半を白衣を着て過ごすことにも抵抗があったのかもしれません(笑)。研究者という目標を方向転換して、まったく別世界の企業に就職することにしました。 ――食品関係の会社にお勤めされたんですか? スギ:いえいえ、違うんです。一つの食品企業に就職してしまうと、食の世界を俯瞰してみることができなくなると考えていたので、まったく別業界です。マラソンが趣味だったので、走る練習をしながらスーパーをハシゴするのが楽しみのひとつでした。土日もスーパーを3~4軒巡ったり、有休や夏休みなどを使って年に3~4回は海外のスーパーを行脚したりしていました。 そこで、スーパーに関する知識はどんどん増えていくのですが、それを何かに活かせないかと考え、新しい発想で料理レッスンをはじめました。「結婚するんだけど料理が全然できない」という人には、「じゃあイチから一緒にやりましょう」と。「ダイエットしたい」という人には、「週に1回行くから、スーパーに行って、食材選びから一緒に始めよう」などということをしていたら、『SPA!』の編集者と知り合って、コラムを書かせていただけるようになりました。それが10年ほど前の話ですね。これが私の人生の転機になりました。

最低2~3軒のスーパーに立ち寄るのが日課

――そもそも、行ったことのあるスーパーが3万軒というのもすごいですね。 スギ:それは、テレビに出演する時に、日本のスーパーの数が1.5万軒くらいあると言われたので、かなり網羅しつつも何度も行く店も多くあるので3万軒としたのですが、海外含めると実際はもっと行っています。今でも1日最低2~3軒はスーパーに立ち寄りますし、海外でも1000軒以上は行っていますし。ただ、南米とアフリカはまだ網羅できていないので、今後行かないといけないなと思っています。特にアフリカは文明のルーツですからね。まだまだ未知のスーパーがあるかと思うと、ワクワクしますよね。
次のページ
日本とは一味違う「海外のスーパー事情」
1
2
3
4
5
1982年、札幌市生まれ。中央大学卒業後から10年間、光文社『女性自身』記者として芸能人や美容・健康分野の取材を担当。2016年独立後、雑誌の取材に加え、写真集や書籍の構成・編集なども担当
記事一覧へ