更新日:2025年03月28日 11:21
ライフ

「3万軒のスーパー」に行った東大卒の女性が、スーパーにハマったまさかの理由。今ではその道の第一人者に

日本のスーパーが目指すべき、次のフェーズは…

スギアカツキさん

専門家として日々研究は怠らない

――そんなアドバイスができるのも、スーパーを知り尽くしたスギさんならではですものね。 スギ:例えばオーガニックのPB商品を作るとしたら、どんな売り場にしたらいいのか、どのように商品を陳列したら人に喜んでもらえるのかなどと、スーパーから相談されることが多くなりました。私は実際に海外のスーパーを見て、実際に商品を購入しているので、アドバイスをすると、真摯に聞いてくださります。日本でも今後は品質のよいオーガニック商品をうまく売るスーパーが増えてくると思います。 ――日本の食文化は世界で有数のクオリティを持っているのに、チャンスを逃していてもったいないですね。 スギ:そうなんです。日本人の特性だと言えるかもしれませんが、「良いものは絶対に伝わる」「良いものを作っていれば黙っていても理解される」というものづくりの内に秘めた慎ましさによって、これまでスーパーも商品についてあまり喧伝してこなかったんですよね。 日本のスーパーは「安くて美味しいもの、上質なものを提供する」という第一フェーズはクリアできています。これからは「スーパーでの買い物が楽しい」「素敵なものを買えて嬉しい」「帰ってからも幸せ」という第二フェーズをどうしていくのかが課題になってくると思います。私はそういうシーンでも役に立てるよう、自分にしかない知見を深める毎日です。 <取材・文/高田晶子>
1982年、札幌市生まれ。中央大学卒業後から10年間、光文社『女性自身』記者として芸能人や美容・健康分野の取材を担当。2016年独立後、雑誌の取材に加え、写真集や書籍の構成・編集なども担当
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