更新日:2025年03月28日 11:21
ライフ

「3万軒のスーパー」に行った東大卒の女性が、スーパーにハマったまさかの理由。今ではその道の第一人者に

日本とは一味違う「海外のスーパー事情」

――あまり馴染みのない海外のスーパーについて教えていただけますか? スギ:日本のスーパーに「所帯じみていてオシャレじゃない」といったイメージがある人、多いと思うんです。昔は私も実際にそうでした。ただ、海外のスーパーに行きだしてから、「ダサいイメージ」が覆ったんです。例えば、イギリスはスーパーの聖地で、スタイリッシュなオリジナル商品がズラリと並んでいます。 スーパーのプライベートブランド(以下、PB)は、ここ数年で日本にも根付き始めましたが、イギリスのスーパーでは少なくとも30年以上前からオリジナル商品を展開しています。例えば、イギリスのマークスアンドスペンサーというスーパーでは、9割以上がPB商品で、パッケージもすごくオシャレ。大学時代に初めてイギリスのスーパーに行って以来、素敵な場所なんだと気が付きました。 ――イギリス以外にどこの国のスーパーが良かったですか? スギ:ヨーロッパのスーパーはみんな素晴らしいですね。ダサいスーパーなんてひとつもないんです。チェコのプラハ、ポルトガルのリスボン、トルコのイスタンブール、フランスのパリ……人の暮らしや歴史を肌で感じることができ、どこも個性的でワクワクしました。ドイツのスーパーにはオーガニックのPB商品がたくさんありますし、特にフランスにはおしゃれなお菓子がズラリと並んでいるので、絶対にスーパーに行くべき。 日常の幸せがスーパーにあるんだと思わせてくれるような惚れ惚れする商品ばかりが陳列されていて、ワクワクしますよ。海外のスーパーも進化しているんだなと実感したのは、ニュージーランドのスーパー。栄養士さんと一緒に買い物ができるサービスがあるんです。自分の人生に寄り添ってくれるのは、夫ではなくスーパーなのかもしれないと思いました(笑)。

日本のスーパーも新たなビジネスチャンスがある

タイのスーパー

タイのスーパー。日本の食材がなんでも揃いそうな品ぞろえ

――日本も観光客が激増していますし、海外の方に向けてスーパーの魅力を打ち出していったほうがいいですね。 スギ:ズバリ、日本のスーパーには明るい未来があると思います。つまり、これから新たなビジネスチャンスがたくさんあるということ。海外に行くと、その土地の住民だけではなく、世界中の観光客もお土産を買うためにスーパーに来て、楽しそうに買い物をしているのですが、日本の多くのスーパーは日本人ばかり。おいしいものがたくさんそろっているのに、海外からの観光客にとってはまだまだ分かりにくいなと感じます。 先日行ったタイ・バンコクのスーパーでは、ドライマンゴーなどドライフルーツのセット、タイ料理のキットなど、お土産用の商品がちゃんと売られています。例えば、タイスキセットを買ったとしたら、野菜などを加えれば、すぐに調理できるようになっている。 一方、日本のスーパーで仮に乾麺の蕎麦を買ったとしたら、海外の人はどうやって食べればいいのかわからないはず。めんつゆと別々に売られているし、薬味をどうしたらいいのかもわからない。だから、めんつゆや乾燥薬味などをセットにして売ったら、観光客需要があると思うんですよね。道の駅や空港でやるよりも、リーズナブルなスーパーだからこそ強みがあると思います。観光客が多い地域やサービスエリアなどは、うどんやそうめん、ラーメンなどもセットで売るべきです。
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日本のスーパーが目指すべき、次のフェーズは…
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1982年、札幌市生まれ。中央大学卒業後から10年間、光文社『女性自身』記者として芸能人や美容・健康分野の取材を担当。2016年独立後、雑誌の取材に加え、写真集や書籍の構成・編集なども担当
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