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ドバイなのに“時給200円”で働かされた19歳日本人男性の怒り「逃亡対策のためパスポートを没収」低賃金労働の実態を暴露

逃亡対策としてパスポートを没収される

こうした状況にみちるさんが何もしなかったわけではありません。 会社の間でマネジメントを担当していた20代後半の日本人女性スタッフに相談しても「私は会社の言いなりだ」と公言し、味方にはなってくれなかったといいます。 「さらに、体調が悪くなっても、病院で証明書を取得しなければ休めない決まりがありました。証明書があれば500円の支給があったのですが、証明書がないまま休むと1万円の罰金が科されました。最初は医者の証明書で休めたのですが、それを理由に休む人が増えたため、政府発行の証明書が必要になったのです。 しかし、その証明書発行には3000円かかり、結果的に休むと1日分の給料がほとんど消えてしまい、実質休むことができない状況に追い込まれました。 また、労働ビザ取得のためとの理由でパスポートを没収され、血液検査時のみ一時的に返却されるなど、逃亡を防ぐための管理体制が敷かれるようになります」 みちるさんは何度も返却を求めたものの、スマートフォンの契約ができず、周囲の話とも食い違い、不信感が一層募ったといいます。 その後、パスポートは返却されましたが、新たな契約内容が追記された契約書の交付が条件でした。 「新たな契約書には『労働期間が半年からさらに延びるかもしれない』という文言があり、さすがに身の危険を感じました」

国外への脱出。TikTokでの発信と国際弁護士との連携

ここでみちるさんは動きます。 過酷な労働環境に心身ともに限界を感じた彼は、会社に対抗する覚悟を決め、現状を多くの人に伝えるためにTikTokで発信を開始。 その動画は多数の視聴を集め、国際弁護士から連絡が入ったのです。 「その方は『その労働環境はドバイだけでなく、日本の法律でも問題があるので、すぐに帰国しなさい』と勧めてくれました。契約を破棄しても日本の法律で裁かれることはないとのことでした」 ただし、彼は労働ビザでドバイに来ている以上、管理会社の許可なく出国することには懸念が残ります。 「それでも、このままではまずいと感じ、同じく会社の体制に不満を持っていた英語が話せるフィリピン人の方と、家族の都合で帰国しなければならなかった日本で飲食店を経営する方の3人で、2024年1月中旬の日本行き航空券を手配し、脱出を決意しました」(みちるさん) 計画中、TikTokでの動画発信がマネージャーに発覚し、約400万円の賠償請求をほのめかされてしまいます。しかし、国際弁護士との相談が進んでいたため、動画を削除し事なきを得たそうです。
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逃亡して帰国するも、会社からの脅迫が
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海外不動産投資家・海外移住コンサルタント。1997年宮崎県生まれ。UAEドバイ在住。お茶の水女子大学在学時に、暗号資産投資で大きな利益を出し、分散投資の一つとして不動産投資をスタートする。大学3年生の21歳から国内不動産投資を始め、国内3棟18室を保有し利回り20%以上の物件を運営し、その後いくつかの物件を売却。22歳で海外不動産投資へ進出し、ジョージア、トルコ(イスタンブール)、アラブ首長国連邦(ドバイ)に不動産を所有。現在は、個人投資家として資産運用をしながら、富裕層、経営者、投資家への資産コンサルティングのほか、海外移住のアドバイザーとしても活動。チャンネル登録者数約6万人のYoutubeチャンネル「さきの海外不動産しか勝たん」を運営。

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