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ドバイなのに“時給200円”で働かされた19歳日本人男性の怒り「逃亡対策のためパスポートを没収」低賃金労働の実態を暴露

逃亡して帰国するも、会社からの脅迫が

逃亡決行当日。 みちるさんは無断欠勤しタクシーで空港へ向かい、予約していた日本行きの飛行機に搭乗。ドバイでは無断離職に対して逃亡届が提出される可能性があるというプレッシャーがありましたが、無事に日本へ帰国できました。 「しかし、フィリピン空港で乗り換え中に、会社から『今フィリピン空港にいますね?帰国したら許します』というメッセージが届き、何らかの理由で私たちの行動が会社側に把握されていたことがわかりました。さらに『何年かけてもあなたたちを見つけて訴えるので、覚悟しておいてください』と脅され、本当に怖かったです」(みちるさん) 現地で録音していた友人の証言によれば、翌日には緊急ミーティングが開かれ、グループチャットで「脱走した労働者に対する厳しい賠償請求が議論された」という情報もあったそうです。

脱出後、民泊運営で成功

脱出から約1年が経過した現在。みちるさんは、地元愛知県でAirbnbを活用したインバウンド向け民泊運営に取り組んでいます。ドバイでの経験から、日本の商品が現地で人気であることを実感し、その知見を生かして新たなサービス展開を図っています。 「収益面では変動はあるものの、月々の家賃10万円を差し引いても平均で40万円弱の収入があります。また、月に10日程度、借家に出向いて5時間ほど掃除や事務手続きを行うので、月計50時間の労働で時給に換算すると約8000円になり、ドバイ当時の時給の約40倍です(笑)」 みちるさんは、ドバイでの恐怖や不自由な生活と比べ、起業への挑戦にはほとんどリスクを感じなくなったと語っています。また、この体験を通じ、多くの人に海外生活のリアルな実態を知ってもらう重要性を痛感しているといいます。 彼の壮絶な脱出劇は決して他人事ではありません。海外移住の際は、信頼できるパートナーを探したうえで移住を決断することを筆者も強くおすすめします。 <TEXT/宮脇咲(みやわき・さき)>
海外不動産投資家・海外移住コンサルタント。1997年宮崎県生まれ。UAEドバイ在住。お茶の水女子大学在学時に、暗号資産投資で大きな利益を出し、分散投資の一つとして不動産投資をスタートする。大学3年生の21歳から国内不動産投資を始め、国内3棟18室を保有し利回り20%以上の物件を運営し、その後いくつかの物件を売却。22歳で海外不動産投資へ進出し、ジョージア、トルコ(イスタンブール)、アラブ首長国連邦(ドバイ)に不動産を所有。現在は、個人投資家として資産運用をしながら、富裕層、経営者、投資家への資産コンサルティングのほか、海外移住のアドバイザーとしても活動。チャンネル登録者数約6万人のYoutubeチャンネル「さきの海外不動産しか勝たん」を運営。
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